アニメパワーランキングβ版
2023年6月21日発表（対象：2023年春放送65作品）
6月第3週、『鬼滅の刃』をはじめ、今週すでに最終回を迎えた作品もいくつか出てきています。
最終回直前になって「氣（タオ）」という異能力の源泉概念が発覚して主人公たちが盛り上がる修行モードに入った『地獄楽』、最終回を迎え、第2期制作決定の発表のあった『僕の心のヤバイやつ』などで動きが見られました。
『僕の心のヤバイやつ』は『久保さんは僕を許さない』と同じく、学校を舞台にした目立たない主人公と美少女のクラスメイトとの恋愛を描いた作品で、描かれているテーマ的なものが似通っています。
似た内容の作品がかぶってしまったのは、『久保さんは僕を許さない』が前シーズンで途中放送延期となったためですが、ランキング的には『僕の心のヤバイやつ』に軍配が上がった印象です。
2作品は共にマンガ原作です。
『久保さんは僕を許さない』は集英社「週刊ヤングジャンプ」に連載されていた全12巻の完結済み作品で、累計発行部数は100万部（2021年9月時点）。一方の『僕の心のヤバイやつ』は、秋田書店「マンガクロス」に連載中で、単行本は8巻までが発売中。累計発行部数は300万部（2023年3月時点）と、原作人気は『僕の心のヤバイやつ』の方が高い様子。
アニメ版では、『久保さんは僕を許さない』は、ヒロイン役に人気ベテラン声優の花澤香菜を起用しており、『僕の心のヤバイやつ』は、若手の羊宮妃那を起用と、こちらも対象的。羊宮妃那はこの作品での出演が話題となって注目を集めており、その点でもプラスポイントを稼いでいます。
『久保さんは僕を許さない』は放送延期というトラブルに加え、内容の似通った作品と放送が重なるという二重の試練に見舞われてしまったわけです。
作品の出来不出来とは異なる外部要因でマイナス要素を抱える事態は、過去にも例が多く、ただの不運で片付けられがちですが、アニメビジネスをさらに精度の高いビジネスへと昇華させていくためには、こうしたことを回避していくためのマーケティング手法の整備が必要になっていくかもしれません。
神籬では、アニメデータベースの登録データを基に、原作カテゴリ・発行部数、SNSフォロワー数、PV視聴数、制作会社・スタッフ、出演声優情報など多岐にわたる情報を独自のアルゴリズムでスコアリングし、毎週30位までのランキングを発表しています。
なお、本指標はアニメ作品そのものの優劣に関して論ずるためのものではございません。
この指標のスコアの高低によって、作品の是非を論じる事のないよう、本データの活用につきましては、御留意頂けますよう、何卒御理解の程よろしくお願い申し上げます。
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