『ONE PIECE』未出演の男性声優についてまとめてみた件

『ONE PIECE』も初期の頃は声優を使い回すようなことをしており、はっちゃんとエネルを演じた森川智之だったり、矢尾一樹などは、ジャンゴ、Mr.2・ボン・クレーとそこそこ重要な敵役を演じた後、麦わら海賊団の一員であるフランキー役を得てレギュラーメンバーとなっています。

しかし、『ONE PIECE』が爆発的な人気を得るようになると、ファンたちの個々のキャラクターへの思入れも、当初とは比べものにならないくらい深くなっていることから、主要キャラについては兼ね役をさせるようなことがなくなり※1、1キャラに対し1声優を当てるようになっていきました。

当然、ファンにも納得してもらえる配役をすることが求められるので、重要なキャラクターは、それ相応の人気と実力を持つ声優が担当することになっていくわけで、ベテラン声優たちのストックが減っていくことになります。
そんな中でも、いまだに出演を果たしていないベテラン声優たちもおり、そうした方々は、これから登場するであろう大物キャラのために温存している状だと考えられます。

そこで今回は、いまだ『ONE PIECE』未出演の男性声優についてまとめてみたいと思います。
きっと、まだこんな大物声優が出演していなかったと驚かれるに違いありません。

大御所では、

羽佐間道夫（90歳）：『超時空要塞マクロス』グローバル館長、『銀河英雄伝説』シェーンコップ
森功至（78歳）：『科学忍者隊ガッチャマン』大鷲の健、『タイガーマスク』伊達直人
若本規夫（78歳）：『サザエさん』アナゴ、『ドラゴンボールZ』セル
神谷明（77歳）：『北斗の拳』ケンシロウ、『シティーハンター』冴羽椋
屋良有作（75歳）：『ちびまる子ちゃん』さくらヒロシ
井上和彦（69歳）：『NARUTO』はたけカカシ、『夏目友人帳』ニャンコ先生
　→モンキー・D・ドラゴン（過去）役（2024年～）
堀川りょう（65歳）：『ドラゴンボール』ベジータ
速水奨（65歳）：『BLEACH』藍染惣右介、『超時空要塞マクロス』マックス

といった面々が挙げられます。

『ONE PIECE』は、比較的に大御所やベテラン声優を多く起用する傾向があり、今回のワノ国編では、光月おでん役の石丸博也（82歳）やカイドウ役の玄田哲章（75歳）、錦えもん役の堀内賢雄（66歳）や雷ぞう役の江原正士（70歳）といった大御所声優たちの好演が印象的でした。
そのため、ファンの間でも、上述の『ONE PIECE』未出演の大御所声優たちは、今後登場するであろう重要なキャラのために温存されているという見方があります。
ここに挙げた大御所声優たちが、どのキャラクターを担当することになるのか、今後の発表が待たれるところです。

ちなみに、若本規夫はテレビアニメが放送される前の「ジャンプ・スーパー・アニメツアー’98」にて上映された初アニメ作品『ONE PIECE 倒せ！海賊ギャンザック』のギャンザック役で出演をしています。
この作品は、ルフィを高野麗、ゾロを高木渉、ナミを豊口めぐみが演じていて、現在とは異なるキャスティングとなっているので、一風変わった『ONE PIECE』を楽しむことができます。

中堅声優でも結構有名どころが残っており、こちらも今後起用されることになろうかと思われます。
『ONE PIECE』は、美形キャラよりも個性の強いキャラクターが多い作風であることや、戦闘シーンが多いこともあり、優男やイケメンキャラを多く演じているような、きれいな声の声優は起用され難い傾向も窺えます。
そのため、力強い声質や声量のある声優の方が起用されやすいとも思われますが、能力勝負で単純なパワー勝負というわけでもないことから、必ずしもそうばかりとも言えないところもあり、予想が難しいところです。

さらに『ONE PIECE』を制作している東映アニメーションでは、声優事務所の青二プロダクションがキャスティング協力をしている関係で、青二所属声優が優先されるという事情もあります※2。
ただし、それは優先されやすいというだけであって、青二所属声優だけを使うということではありません。
各キャラクターに適した声優を選出する際に、まずは青二所属声優の中で合致する声優がいないかが先になるという選択肢の順番に過ぎず、青二の中に相応しい声優がいなければ、他事務所やフリーの声優に声をかけることになるわけです。
下記の『ONE PIECE』未出演の中堅～若手声優たちを見てみると、見事なまでに青二プロダクションの声優が入っていません。

＜『ONE PIECE』未出演の主な中堅～若手声優＞
東地宏樹（57歳）：『ダイヤのA』片岡鉄、『PSYCHO-PASS サイコパス』須郷徹平
遊佐浩二（55歳）：『弱虫ペダル』御堂筋翔、『BLEACH』市丸ギン
千葉進歩（53歳）：『ヒカルの碁』藤原佐為、『銀魂』近藤勲、『アイドリッシュセブン』小鳥遊音晴
保志総一朗（51歳）：『機動戦士ガンダムSEED』キラ・ヤマト、『ひぐらしのなく頃に』前原圭一
平川大輔（50歳）：『ジョジョの奇妙な冒険Part3』花京院典明、『鬼滅の刃』魘夢
鈴村健一（49歳）：『機動戦士ガンダム SEED DESTINY』シン・アスカ、『銀魂』沖田総悟
日野聡（45歳）：『鬼滅の刃」煉󠄁獄杏寿郎、『NARUTO疾風伝』サイ、『灼眼のシャナ」坂井悠二
小野大輔（45歳）：『涼宮ハルヒの憂鬱』古泉一樹、『ジョジョの奇妙な冒険Part3』空条承太郎
福山潤（44歳）：『コードギアス反逆のルルーシュ』ルルーシュ・ランペルージ、『暗殺教室』殺せんせー
中村悠一（43歳）：『呪術廻戦』五条悟、『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5』ブローノ・ブチャラティ
羽多野渉（41歳）：『黒子のバスケ』実渕玲央、『FAIRY TAIL』ガジル、『ダイヤのA』の増子透
KENN（41歳）：『宇宙兄弟』南波日々人、『境界の彼方』神原秋人
前野智昭（41歳）：『はたらく細胞』白血球、『ドラゴンクエストダイの大冒険』クロコダイン
宮野真守（40歳）：『STEINS;GATE』岡部倫太郎、『うる星やつら』面堂終太郎
林勇（40歳）：『東京リベンジャーズ』マイキー、『ハイキュー!!』田中龍之介
鈴木達央（40歳）：『七つの大罪』バン、『Free!』橘真琴
豊永利行（39歳）：『デュラララ!!』竜ヶ峰帝人、『ドラゴンクエストダイの大冒険』ポップ
木村良平（39歳）：『ハイキュー!!』木兎光太郎、『魔道祖師』魏無羨
小野友樹（39歳）：『ジョジョの奇妙な冒険 Part4』東方仗助、『黒子のバスケ』火神大我
寺島拓篤（39歳）：『EDENS ZERO』シキ・グランベル、『ログ・ホライズン』シロエ
河西健吾（38歳）：『鬼滅の刃』時透無一郎、『Dr.STONE』あさぎりゲン
小林裕介（38歳）：『Re:ゼロから始める異世界生活』ナツキ・スバル、『Dr.STONE』石神千空
松岡禎丞（37歳）：『鬼滅の刃』嘴平伊之助、『ソードアート・オンライン』キリト
岡本信彦（37歳）：『僕のヒーローアカデミア』爆豪勝己、『とある魔術の禁書目録』一方通行
江口拓也（36歳）：『SPY×FAMILY』ロイド・フォージャー、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』比企谷八幡
榎木淳弥（35歳）：『呪術廻戦』虎杖悠仁、『刀剣乱舞』堀川国広
小野賢章（34歳）：『ジョジョの奇妙な冒険黄金の風』ジョルノ・ジョバーナ、『黒子のバスケ』黒子テツヤ
山下大輝（34歳）：『僕のヒーローアカデミア』緑谷出久、『弱虫ペダル』小野田坂道
村瀬歩（34歳）：『ハイキュー!!』日向翔陽、『魔入りました！入間くん』鈴木入間
増田俊樹（33歳）：『僕のヒーローアカデミア』切島鋭児郎、『サムライフラメンコ』羽佐間正義
内山昂輝（33歳）：『僕のヒーローアカデミア』死柄木弔、『機動戦士ガンダムUC』バナージ・リンクス
斉藤壮馬（32歳）：『ブルーロッ』千切豹馬、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』緋村剣心
内田雄馬（31歳）：『呪術廻戦』伏黒恵、『フルーツバスケット』草摩夾
石川界人（30歳）：『境界のRINNE』六道りんね、『ハイキュー!!』影山飛雄、『盾の勇者の成り上がり』岩谷尚文
武内駿輔（26歳）：『アナと雪の女王』オラフ、『A3!』兵頭十座

東地宏樹、小野大輔、中村悠一などは声質などもバトル向きで、これまで起用がなかったことが不思議なくらいなくらいなことから、温存組なのかとも考えられます。
小野友樹、松岡禎丞、岡本信彦などもバトルものでもよく見られる器用な声優なので、使い勝手が良さそうに思われ、これらの声優たちがはたして起用されるものか、どんな役を演じることになるのか、今後のキャスト発表が待たれるところです。

※1 ワノ国編でも出演していた島田敏（69歳）、飛田展男（64歳）、水島裕（67歳）、西村知道（77歳）などは、『ONE PIECE』でも常連声優で、中クラスのキャラクターをいくつも兼ね役をしています。

※2 未出演の大御所声優として挙げた屋良有作は青二プロダクション所属ですが、2022年3月末に代表を務めていたビーボが廃業したことで青二に移籍したばかりで、まだ日が浅いという事情があります。