オタク的見地から、今後できてほしいと思うサブカルスポットを考えてみた件 ⑬オンリーワンな私設博物館の町のススメ

アニメの未来を考える

全国には、収益を目的としないような誰得とも思える摩訶不思議な個人運営の私設博物館が数多く点在しています。
趣味が高じてなのか、自らのコレクションを自慢したいのか、はたまた何かの使命感に駆られ、特定の分野の啓蒙活動のために開いていたりと、その目的や理由なども千差万別です。
経済アナリストの森永卓郎氏が、自身のコレクション約10万点を展示するために総工費1.8億円をかけて作った「B宝館」のような大規模なものから、民芸品や時計、簪、凧など、歴史的・文化的価値の高いものを展示する真面目なもの、マッチ箱や貯金箱、古いラジオ機器などマニアックなもの、人面石や老眼鏡、ガラス瓶、髑髏、使用済みの手帳などのどこに需要があるのかわからないような特殊なものばかりを集めた趣味全開の博物館など多種多様なものが存在します。

これらは全国各地にひっそりと運営されており、知る人ぞ知るといった存在となっていて、辿り着けたものだけが味わえる希少性の高いスポットですが、それだけに何とももったいないとも言えます。
そこで今回は、このような私設博物館がもっとたくさんできて欲しいという妄想を元に、地域活性化につながるようなことを考えてみたいと思います。

まず、地域でテナントが入らず空ビルになっているような物件や、シャッター商店、古民家などを活用して、助成金などで家賃を大幅に下げる、もしくは無料で貸し出すなどして、私設博物館を作りたいという夢を持っている人たちを全国から募集します。

私設博物館を作りたいという情熱を持つ人ですから、その分野に関しての知識や熱量は半端なく、拘り抜いた展示はその筋の趣味人たちの支持を得られる可能性が高いはずです。
もちろん、本当に実現できるのか、展示内容や用意できる点数なども含めて、運営者の厳正な審査は必要でしょうが、ある程度の基準をクリアできるような人や団体を選出すれば、運営者には情熱があるので、あとは勝手に良いものを作り上げていってくれることでしょう。
住み込みでも良いし、週末だけ通っての運営でも良く、無理なく運営できる形で始めてもらい、自慢のコレクションをみんなに見てもらいたいという純粋な夢を叶えるのでも、定年退職後のセカンドライフに活用してもらうのでも良いというわけです。

経済的な成功を目的とはしませんが、グッズ販売などで、まかり間違って経済的にも成功してしまい、そこで生計が成り立つようになってくるようなことがあれば、その地域に移住するような人も現れるかもしれませんから、過疎化問題を抱える地域にとっては、問題を解消する手立てになり得るかもしれません。
それまで個人だけで楽しんでいたマニアック過ぎる趣味を展示する場所は、同じ趣味を持つ人たちを集め、そこにコミュニティが生まれ、いろんな趣味の人々がそれぞれの目的で集まる人流を生み出すことにも繋がる可能性があります。
一つ一つの集客力はそれ程高くなくとも、数が増えれば塵積で結構な人数が往来する場所となるので、人が増えれば、飲食店やコンビニなどの店も出来てくるかもしれず、何かしら特化した趣味の人が一定数集まるとなれば、その人たちを相手に商売をしようという企業も出店を考えるかもしれません。

「私設博物館の町」という称号と共に、メディアでも取り上げられれば、私設博物館が開けるという認知が広まり、自分もやりたいという人たちがさらに集まりますから、希望者を集め、公開コンペというイベントを開催することもできるかもしれません。
公開コンペイベントの開催や合格者の発表、常に新しいテーマの博物館が次々にオープンしていくとなれば、新規情報が途切れることがないので、継続して世間に話題を提供していくことができます。
さらに、マニアックな運営者たちが、それぞれ、その筋のコミュニティに対して情報を発信していくことが想定されるので、自治体の広報などががんばらなくとも、運営者たちの手で勝手に情報が拡散してくれることも期待できるでしょう。

特定のキャラクターグッズや版権モノなどを扱うものでなければ、ライセンス交渉や使用料が発生することもありませんし、展示物は運営者自らのコレクションを使うので、展示物を新たに用意する必要もありません。
人選や定期的な運営確認、困りごとがあった際のサポートなどに徹すれば良いので、自治体など実施する側の経済的・人的負担もそれ程大きくなくて済みそうにも思えます。
実施するとなれば、先例がない初の試みになるので、想定できない問題もあるかもしれませんが、その分成功した際には、宣伝効果や注目度などの先駆者特権を独り占めできるので、是非とも「私設博物館の町」にチャレンジする自治体が現れてくることを期待します。


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オタク的見地から、今後できてほしいと思うサブカルスポットを考えてみた件
①『ドラゴンボール』のスポットが圧倒的に足りない
②『プリキュア』のスポットが足りない
③ アニメ飯専門レストラン
④ ファンタジー世界に行きたい 前編
⑤ ファンタジー世界に行きたい 後編
⑥ アニメの再現店
⑦ 廃校の再利用 前編
⑧ 廃校の再利用 後編
⑨ アニメのコラボ自動販売機(自販機)のススメ
⑩ ガチャガチャのススメ
⑪ ビル1棟アニメ化計画
⑫ 全てのアニメ資料を所蔵するアニメ図書館
⑬ オンリーワンな私設博物館の町のススメ