オタク的見地から、今後できてほしいと思うサブカルスポットを考えてみた件 ⑥アニメの再現店

アニメの未来を考える

アニメの再現店

アニメの作中には架空の店が舞台になっているものが少なくなく、実際に行ってみたいと思うのが当然のファン心理でしょう。
実在の店をモデルにしたようなものは、聖地巡礼という形で実際に訪れることが可能ですが、完全に創作の店などは、誰かが作らない限り訪れることはできないわけです。
ジブリパークやムーミンバレーパークなどの例を見ても、聖地巡礼のトレンドとしては、それまでのモデルになった地を訪れるところからさらに拡張して、実在しなかった架空の場所や物を創り出して、そこにファンたちを招くというものになってきています。
そこで、作中に登場するようなオリジナルの店を再現してみたら、ファンたちの訪れたい需要を満たすスポットを生み出すことができるのではないでしょうか。

『ONE PIECE』の海上レストラン「バラティエ」や『NARUTO』のラーメン屋「一楽」などは有名で、「バラティエ」はフジテレビ本社ビル7階屋上庭園(2013年6月開店・2016年9月閉店済)、「一楽」は淡路島のニジゲンノモリ NARUTO×BORUTO 忍里(2019年4月開店)や富士急ハイランド(2019年7月開店)に、作中のものをモチーフに再現された店舗がすでに作られています。

これらの店の他にも、ファンの間では良く知られた店舗がまだまだ数多く存在するので、開拓の余地は充分にありそうに思われます。

<実在のモデルがないアニメの作中だけに存在する架空の店の例>
1981年『じゃりン子チエ』ホルモン焼き屋「チエちゃん」※1
1983年『キャッツ♥アイ』の喫茶店「キャッツアイ」
1985年『タッチ』の喫茶店「南風」
1987年『きまぐれオレンジ☆ロード』の喫茶店「abcb(アバカブ)」
1987年『ミスター味っ子』の「日之出食堂」
1987年『シティーハンター』の喫茶店「キャッツアイ」
1989年『魔女の宅急便』のパン屋「グーチョキパン店」
1996年『名探偵コナン』の「喫茶ポアロ」
1999年『おジャ魔女どれみ』の「MAHO堂」※2
2002年『東京ミュウミュウ』の「カフェ ミュウミュウ」
2003年『君が望む永遠』のファミリーレストラン「すかいてんぷる」
2007年『電脳コイル』の電脳駄菓子屋「メガシ屋」
2007年『CLANNAD』の「古河パン」
2008年『西洋骨董洋菓子店〜アンティーク〜』のケーキ専門店「アンティーク」
2009年『リストランテ・パラディーゾ』のイタリア料理店「カゼッタ・デッロルソ」
2010年『WORKING!!』のファミリーレストラン「ワグナリア」
2010年『会長はメイド様!』のメイド喫茶「メイド・ラテ」
2010年『それでも町は廻っている』のメイド喫茶「シーサイド」
2012年『しろくまカフェ』の「しろくまカフェ」
2014年『ご注文はうさぎですか』の喫茶店「ラビットハウス」と和風喫茶「甘兎庵」
2014年『東京喰種トーキョーグール』の喫茶店「あんていく」
2014年『七つの大罪』の移動酒場「豚の帽子亭」
2016年『ジョジョの奇妙な冒険』のイタリア料理店「トラサルディー」
2016年『だがしかし』の「シカダ駄菓子店」と「喫茶エンドウ」
2017年『ブレンド・S』の喫茶店「スティーレ」
2018年『鹿楓堂よついろ日和』の甘味処「鹿楓堂」
2018年『多田くんは恋をしない』の「多田珈琲店」
2020年『デリシャスパーティ♡プリキュア』のラーメン屋「ぱんだ軒」

やるのならば中途半端にせずに徹底して再現すべきで、外観や内装は勿論のこと、可能ならば間取りも作中通りにしたら、その忠実さがファンの心を掴むでしょう。
単にキャラクターのコスプレをした店員が働いているという程度ではなく、例えば「ラビットハウス」の店員はココア、チノ、リゼの3人で、千夜は「甘兎庵」で働いているという設定なので、「ラビットハウス」で千夜のコスプレをした店員がいてはおかしいなど、ちゃんと作品の設定を理解した上で忠実に再現し、コスプレ店員も単に恰好だけ真似するのではなく、それぞれの役になりきって接客することで、「この店は作品へのリスペクトが高いぞ」とファンの支持を得られるはずです。

次回に続く


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※1. 『じゃりン子チエ』のホルモン焼き屋「チエちゃん」は、遊び回る父テツに代わって娘のチエが切り盛りするようになる前は「テッちゃん」という店でしたが、この改名前の店名を模した「元祖ホルモンテツ」という店名で、作中の舞台と同じ大阪市西成区に、看板や店構えも作中のものに似せたホルモン焼き屋が、2022年6月にオープンしています。

※2. 『おジャ魔女どれみ』シリーズに登場する「MAHO堂」は、第1シリーズでは魔法グッズを売るお店、第2シリーズ『おジャ魔女どれみ♯』ではフラワーショップ、第3シリーズ『も〜っと!おジャ魔女どれみ』ではスゥイートショップ、第4シリーズ『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』では魔法雑貨の店といったように、シリーズによってその業態を変えています。


オタク的見地から、今後できてほしいと思うサブカルスポットを考えてみた件
①『ドラゴンボール』のスポットが圧倒的に足りない
②『プリキュア』のスポットが足りない
③ アニメ飯専門レストラン
④ ファンタジー世界に行きたい 前編
⑤ ファンタジー世界に行きたい 後編
⑥ アニメの再現店
⑦ 廃校の再利用 前編
⑧ 廃校の再利用 後編
⑨ アニメのコラボ自動販売機(自販機)のススメ
⑩ ガチャガチャのススメ
⑪ ビル1棟アニメ化計画
⑫ 全てのアニメ資料を所蔵するアニメ図書館
⑬ オンリーワンな私設博物館の町のススメ