オタク的見地から、今後できてほしいと思うサブカルスポットを考えてみた件 ⑫全てのアニメ資料を所蔵するアニメ図書館
全てのアニメ資料を所蔵するアニメ図書館
以前のコラムで取り上げた『電脳コイル』で磯光雄監督のインタビュー記事を参照しようと思いましたが、手元にアニメ雑誌の掲載号がなかったもので、近隣でアニメ雑誌を所蔵している図書館に問い合わせてみたところ、アニメ雑誌は2年以上経過したものは廃棄しているとの回答で、大概の図書館では月刊誌のようなものは2年程度で廃棄しているとのことでした。
なんとも勿体ない話で、廃棄するのならば引き取りたいくらいでしたが、個人に優先的に譲渡してくれるものでもなさそうです。
最近では、BOOK OFFでもアニメ雑誌を取り扱っていない店舗が多く、個人で収集しておかないと、古いアニメ雑誌を参照することが難しいようです。
気になって調べてみたところ、明治大学が運営する米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館(東京都千代田区)では、アニメージュ、アニメディア、月刊ニュータイプといったアニメ雑誌から、すでに廃刊(休刊)となっているアニメック、マイアニメ、ジ・アニメ、月刊OUT、ファンロードといった雑誌までが、創刊号から最新号まで所蔵されているとのことで、何とも素晴らしい限りです。
メガミマガジンや電撃G’s magazineなど、蔵書の対象になっていない雑誌もあるようですが、それでもこれだけの雑誌を所蔵しており、且つ閲覧も可能というのは貴重です。
国立国会図書館であれば全雑誌が所蔵されていることはわかっているものの、こうした民間の学術機関でも所蔵されていることは頼もしい限りです。
惜しむらくは、設定資料集や絵コンテ集などの資料は数十冊程度しか所蔵されていないことで、蔵書検索では「磯光雄 ANIMATION WORKS」や「新世紀エヴァンゲリオン 原画集」といった資料も引っ掛かりませんでした。
ところざわサクラタウン内にはマンガ・ラノベ図書館がありますが、マンガやライトノベルなどのKADOKAWAの出版物がメインで、アニメ関連の資料は少なく、自社の月刊ニュータイプですら近年のわずかな冊数しか所蔵されていないようです。
京都国際マンガミュージアムは、マンガが中心で、資料集などはおろか、アニメ雑誌なども所蔵対象になっていないようです。
この他、広島市まんが図書館や北九州市漫画ミュージアムなどのように、マンガを所蔵する図書館は全国にいくつか見られますが、アニメに特化したような図書館というものは、米沢嘉博記念図書館の他にはないようです。
こうなってくると欲が出るもので、アニメ雑誌は勿論のこと、ムック本や設定資料集、アニメ監督や脚本家たちの著作本などから、アニメの原作となったマンガ、ライトノベル、小説、絵本、アニメーター個人の作品集や各アニメ制作会社が出している資料本、背景制作会社や背景作家が座している画集、アニメーション制作の教本、声優関連の雑誌や、声優の著作本など、アニメに関わるあらゆる書籍を全て所蔵するアニメ専門の図書館が出来て欲しいところです。
もっと欲を言えば、アニメの映像資料やアニソンやBGMなどの音源資料なども所蔵対象にして視聴覚コーナーを完備し、今は無きセル画による制作やアニメ制作の歴史などを伝える物品展示も加えた博物館を作ってもらえると尚素晴らしいところです。
本来であれば、「国立アニメ図書館」「国立アニメ博物館」といった具合に国の運営で作ってもらいたいところですが、これまでの国のアニメに対する消極的な政策を見る限りでは、その望みは薄そうに思われます。
国がやらないとなれば、民間か自治体でとなりますが、規模が大きいため、民間ではバンダイナムコのような大企業でないと無理そうです。
どこかの自治体がいち早くこれに取り組めば、全国からアニメファンや研究者、アニメーターを志す人たちなどが集まる場となり、そこを拠点にアニメによる町の活性化施策が打ち出せるかもしれません。
神籬では、サブカル系コンテンツで店舗や商店街を活性化させたいというご相談も受け付けています。
クライアント様の特性や状況などに合わせて提案させていただき、運用方法なども含め、幅広くサポートさせていただきます。
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オタク的見地から、今後できてほしいと思うサブカルスポットを考えてみた件
①『ドラゴンボール』のスポットが圧倒的に足りない
②『プリキュア』のスポットが足りない
③ アニメ飯専門レストラン
④ ファンタジー世界に行きたい 前編
⑤ ファンタジー世界に行きたい 後編
⑥ アニメの再現店
⑦ 廃校の再利用 前編
⑧ 廃校の再利用 後編
⑨ アニメのコラボ自動販売機(自販機)のススメ
⑩ ガチャガチャのススメ
⑪ ビル1棟アニメ化計画
⑫ 全てのアニメ資料を所蔵するアニメ図書館
⑬ オンリーワンな私設博物館の町のススメ