11月18日はミッキーマウスの誕生日

ディズニーファンの間では良く知られていることとは思いますが、11月18日は、ミッキーマウスの誕生日です。
これは、ミッキーがスクリーンデビューした『蒸気船ウィリー』が1928年11月18日に公開されたことにちなむもので、ディズニーランドやネット上などで毎年イベントが行われています。
今では当たり前ですが、ミッキーマウスはネズミ(ハツカネズミ)のキャラクターで、そのことを誰も気にしたりはしません。
現代の日本人の多くは、日常生活でネズミをほとんど見ることがないため、ネコやイヌ、キツネにタヌキなどと同様の動物の一つで、特にマイナスイメージを持っていない人の方が多いものと思われます。
十二支の中にも出て来ますし、ミッキーマウスや、『トムとジェリー』のジェリー、『トッポ・ジージョ』、『とっとこハム太郎』(こちらはハムスターでネズミではありませんが)などのキャラクターが人気を得る中で、ネズミに悪い印象を持つ傾向は低いかもしれません。
しかし一昔前は、ネズミと言えば農作物を食い荒らす農家の天敵であり、家でも赤子が襲われたり、伝染病の媒介動物でもあり、害獣として人々の嫌われものでした。
ミッキーが生まれた1920年代も、当然ながらネズミにマイナスイメージを持つ時代だったはずです。
他にもいろんな動物がいる中で、そんなイメージの悪い動物を、わざわざ看板キャラクターにしようとするものか、ちょっと不思議です。
ミッキーマウスはアニメーターだったウォルト・ディズニーとアブ・アイワークスが創作したキャラクターですが、何故ネズミをモチーフにしたかについては、明言はされていません。
ウォルトがネズミを飼っていたからだとか、スタジオにネズミが出たことがきっかけだとか、様々な諸説が語られていますが、いずれも都市伝説の域を出ないものです。
実は、ミッキーマウスには元となったキャラクターがあります。
それは、同じくウォルトとアブが、ウサギをモチーフに作った「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」です。
動画を見てもらうと、黒い体に白い顔で耳が長く、ミッキーによく似ていることがわかるでしょう。
オズワルドは、ミッキー誕生前の1927~1928年頃に作られたアニメーションシリーズの主役キャラクターで、全26作品が製作され、大ヒット作となりました。
ところが、この作品の配給先であるユニバーサル・ピクチャーズと製作費に関するトラブルの末、オズワルド作品に関する全権利がユニバーサル側のものとなってしまいます。
そこで、ウォルトとアブは、オズワルドに代わるキャラクターを新たに生み出す必要に迫られ、ミッキーマウスが誕生したというわけです。
ここからは筆者の勝手な推測です。
ウォルトとアブはオズワルドの代用キャラクターとしてミッキーを生み出したものの、その姿はオズワルドにあまりに似ています。
そのため、このままではユニバーサル・ピクチャーズから、オズワルドのパクリじゃないかと文句を言われそうだと、2人は心配になったはずです。法廷争いをしてまで勝ち取ったキャラとそっくりのキャラを相手が作ってきたら、怒るのが当然でしょう。
そこで、ミッキーはウサギじゃなくてネズミだからオズワルドとは違う、という言い訳を思いついたのではないでしょうか。
ディズニーと言えば、日本の小学生が卒業記念にプールに描いたミッキーを権利侵害だと消させた話※1もある程で、権利に非常に厳しいことで知られています。
そんなディズニーのシンボルキャラクターであるミッキー自体が、結構権利侵害ギリギリな状況下で生み出されていたとしたら、なかなかに皮肉な話だと思うのは筆者だけでけでしょうか。
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※1 1987年に滋賀県大津市内の小学校の卒業生たちが、卒業記念として、1か月程をかけてプールの底に巨大なミッキーとミニーの顔を描き、卒業式の日に全生徒に公開されました。
当時、新聞がこれを美談として報じたため、ディズニー側の知るところとなります。
5月中旬にウォルト・ディズニー・プロダクションの社員が学校を訪問、著作権法上の理由から絵を消すように求めました。
学校側は何とか残せないかとディズニー側と交渉するも叶わず、この子供たちの想いのこもった力作を泣く泣く塗りつぶすことを決定。6月中旬の水泳シーズン前に、ミッキーの絵の描かれたプールは一度も使われることなく姿を消してしまいました。
