ライセンス料が発生しないであろうアニメの活用方法 ① アニメ飯
地域や商店街の活性化対策、あるいは地元の商店や飲食店などで、アニメコンテンツを集客や話題作りに活用したいと考えても、ライセンス問題が発生するため、二の足を踏む人は少なくないでしょう。それが1作品であればまだしも、複数作品を取り扱い、版権元が何社にも及ぶとなれば尚更です。
版権交渉やライセンス料の支払いが複数発生して、その手間と金額を考えると、安易に手を出し難いと考えるのも当然です。
しかし、これを回避する方法がいくつかあります。
一つは「アニメ聖地巡礼」でしたが、これは場所や施設などと結びついているため、舞台となっていない地域では活用したくともできないという問題がありました。
そうした問題がなく、誰でも活用できる方法の一つに、「アニメ飯」や「マンガ飯」というものがあります。
いわゆる作中に登場する食べ物や料理のことです。
有名なものでは、『はじめ人間ギャートルズ』に出て来た「マンガ肉」と呼ばれる骨付き肉や、『天空の城ラピュタ』でパズーとシータが食べていた「ラピュタパン」と呼ばれる目玉焼きを乗せたトーストといったものが挙げられ、作品のファンであれば誰でも知っている有名な食べ物です。
誰でも知っているとまでは言えないまでも、最近では『ウマ娘』の「にんじんハンバーグ」なんてものもSNSを中心に話題になったりしています。
スタジオジブリや宮崎駿作品では、「ラピュタパン」の他にも作中に食べ物がよく出てくるので、総称して「ジブリ飯」などとも呼ばれていますし、『ミスター味っ子』や『食戟のソーマ』などの料理バトル作品では、毎回必ずオリジナリティあふれる創作料理が出てくるので、料理ネタには事欠きません。
地方の商店街などが、B級グルメ開発への挑戦や、店の名物メニューを開発して知名度を上げようとするのは、なかなかハードルが高く、どこも苦心しています。
「アニメ飯」というものは、初めからある程度の認知度があるところからスタートし、さらにSNSでの拡散性もあることから、何もないところからアイデアを絞り、見た目の派手さや奇を衒った料理を開発するよりも有効性が高いとも言えるでしょう。
また、ビジュアルや奇抜さだけの料理は、一時的に盛り上がるだけで定着しないことが多いという難点があります。
そこへいくと、好きな作品への想いを込めて作った「アニメ飯」というのは、思い入れがある分、再現度のこだわりや味への追及度合いが異なり、定着性や継続性が高くなる可能性が高いという長所もあります。
従って、単に世間で話題になっているからという発想ではなく、自分が好きな作品のあの料理を再現してみたい、みんなに味わってもらいたいという発想で、どの「アニメ飯」を再現するかを選択することがポイントと言えるでしょう。
法的な観点で言えば、料理のレシピは著作権の対象外なので、創作料理などを真似しても問題にはなりません。
しかし、既存店舗の名物料理やローカルグルメなどを安易に真似すると、「パクリ」の汚名で炎上する可能性があります。
その点では、アニメやマンガに出てくる料理を、ファンの一人として再現してメニューにしてみました、といった程度であれば、SNSで好意的に話題になることはあっても、炎上する可能性は低いと思われます。
ただし、金儲けのためにコンテンツを利用していると取られると、ファンたちに嫌われることもあるので注意が必要でしょう。
YouTubeやTikTokでも「アニメ飯」の再現してみたという動画は人気の高いコンテンツとなっており、「ラピュタパン」などを紹介するレシピ本も普通に売られていることからも、問題がないことは実証済みです。
とは言え、作品名をそのまま出すのは要らぬトラブルを招きかねないので、「あの人気アニメに出てくる料理」とか、「主人公たちが奪い合う程美味いあの料理」とか、作品名を伏せているけど、すぐに連想できてしまう程度の匂わせに留めるのが得策です。
また、地方の小店舗などが一部の人たちの間で話題になる程度のごく小規模なケースであれば問題ないものの、規模が大きくなると問題となる可能性が高まるので、この点は留意すべきでしょう。
大々的に宣伝して広めたいとか、ニュースや雑誌などでも取り上げられることを前提に考えている場合には、法的には何の問題もなくとも、不愉快だと感じて警告をしてくる版権会社もあるので、可能な限り電話一本でもお断りしておくのが処世術です。
上手く交渉するにはそれなりのノウハウがあるのですが、事前にお断りを入れることで、逆に作品名を出したり、メニュー名に作品名を入れ込むことに許可を得られるケースもあるのでオススメです。
次回に続く。
神籬では、作品に登場する「アニメ飯」などの情報の提供も可能です。
再現するなら、どんな作品のどの「アニメ飯」が良いかなど、クライアント様の特性や状況などに合わせて提案させていただき、版権元への連絡先の案内やアプローチの方法など幅広くサポートさせていただきます。
ご興味にある方は、是非問い合わせフォームからご連絡下さい。
ライセンス料が発生しないであろうアニメの活用方法
① アニメ飯
② キャラクターカラー
③ 匂わせ
④ アンパンマンのパン