ライセンス料が発生しないであろうアニメの活用方法 ② キャラクターカラー

アニメの未来を考える

ライセンス契約などの手間やお金をかけずに、もっとライトにアニメを活用したいという要望を満たす方法として、前回は、「アニメ飯」を取り上げましたが、今回は「キャラクターカラー」をご紹介します。

「キャラクターカラー」というのは、文字通りキャラクターを表現する色のことで、大別すると、キャラクターの配色と、イメージカラー(推し色)の2つに分類できます。

キャラクターの配色というのは、キャラクターのデザイン上の配色を抜き出したものです。
以下に『それいけ!アンパンマン』と『鬼滅の刃』の例を挙げてみましたが、キャラクターを特徴づけているデザイン上の色を見ただけで、特定のキャラクターを連想できるものとなっています。

アニメ作品とのコラボカフェで飲み物やスイーツの色をキャラクターの色に合わせたり、ファッションやコスメ系のグッズなどでも利用されているものです。

イメージカラーというのは、アイドルアニメなどで、作中のグループやユニットのメンバーのそれぞれが持つイメージカラーを、「推し色」と称し、推しキャラの色を身に着けて自分が誰推しなのかをアピールしたり、推しキャラの誕生日を祝う際に、推し色のケーキや花束をSNSに上げたりするといった、いわゆる「ヲタ活」のアイテムとして使われます。
具体的には、掲載画像のような『アイドリッシュセブン』のユニットの一つ「IDOLiSH7」の7人のメンバーカラーや、『おそ松さん』の六つ子たちのイメージカラーといったもので、ファンの間では、この色並びを見ただけでも何の作品のものか、各色が誰の色なのかがすぐにわかる程に浸透しており、公式グッズなどにもこのカラーを使ったものが多く存在します。

上述の推しキャラアピールや誕生祝いの他、2.5次元舞台や各種のイベント時に、推しキャラや声優へのプレゼントで、キャラクターの色をあしらったものを用意することがよくあるために一定の需要があり、特にフラワーアレンジメントやフラワーギフトなどで活用されるケースがよく見られます。
推し色は、その容易さから、飲み物や和菓子、衣服、小物など応用範囲が広いので、商品ラインナップに加えたり、推し色のオーダーメイド対応というオプションサービスを展開するという方法も考えられるでしょう。

特定のキャラクター名や作品名を表立って出さずに、例えば「お好きなキャラクターをイメージした花束をお作りします」といった表現であれば、あくまで客の要望にお応えするという形になるので、著作権問題に引っ掛かることはないでしょう。
ただし、作品を利用してやろうという商売優先の色を出し過ぎるのは、版権会社だけでなく、アニメファンからも好まれない形となって逆効果にも成りかねないので、あくまでアニメファンとして、作品やファンを応援したいという姿勢で臨むのがポイントです。

アニメファンにフレンドリーで理解のある店、あるいはアニメファンの人が経営している店、といった色が出せれば、キャラクター名や作品名を出さずとも、ファンの側で理解してくれるので、そうした信号を的確に出していくことが賢い方法です。
店をアニメ色に染めるのも一つの方法ですが、それでは一般客を遠ざけてしまう可能性もあるので、そうした場合には「推し色対応します」と謳っておくだけでも、アニメファンにだけ伝わるメッセージになるので充分な効果を挙げられるでしょう。

次回に続く


神籬では、各作品の「キャラクター配色」や「推し色」などの情報の提供の他、これらを取り入れた商品開発や、活用方法のご相談なども受け付けています。
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