ライセンス料が発生しないであろうアニメの活用方法 ③ 匂わせ

アニメの未来を考える

ライセンス契約などの手間やお金をかけずに、もっとライトにアニメを活用したいという要望を満たす方法として、これまで「アニメ飯」や「キャラクターカラー」を取り上げましたが、今回は「匂わせ」をご紹介します。
「匂わせ」というのは、以前のコラムでも取り上げた、『ジョジョの奇妙な冒険』の作中に出て来たものを思わせると話題になった石川県の羽咋駅前通り商店街が設置した擬音のオブジェや、米子駅前だんだん広場に設置された『銀河鉄道999』にしか見えない天空に走り出す蒸気機関車の形をした時計塔などのように、版権ものとは似ているだけで別ものだという建前で製作し、絶妙なラインを責めると言うものです。
作品やキャラクターの雰囲気を持ちつつも、それそのものを扱わないという意味で、ライセンスの範疇から外れますが、特定の作品やキャラクターを連想させるパロディは、版権的にセーフとアウトの境界が曖昧で、SNS上でも、好意的に受け取られるか、炎上するかは紙一重というリスクの高さがあるので、余程に上手くやらないと成功しないでしょう。

もっと安全な方法としては、アニメやマンガでよく題材になるものでありながら、非版権のものを取り扱うことです。
例を挙げれば、忍者、怪獣、ロボット、妖怪、覆面ヒーロー、魔法少女、悪魔、龍、鬼、妖精、といったキャラクター系から、織田信長や、上杉謙信、真田幸村、伊達政宗、新選組といった人気の歴史人物系、剣や刀、甲冑、銃器、魔法のステッキなどのアイテム系、剣豪、騎士、魔法使い、陰陽師といった職業系、メイド、執事、姫、王子、看護婦、巫女、チャイナ服のようなコスプレ系などきりがありませんが、これらはサブカル系コンテンツでありながら、版権が関わってこない概念的なコンテンツなので、誰がどう扱っても文句を言われる可能性は低いという長所があります。

こうしたものの中で、他地域で取り扱っていないジャンルを的確にチョイスして、それをテーマに特化していく、といったものや、あらゆるジャンルを取り入れたごった煮状態で、世界観を作り上げていくという方法もあるでしょう。一店舗内で一つのジャンルに絞ったテーマカフェ的なものや、商店街などの規模で世界観を作り上げて、一種のテーマパークのようにしてしまうというのも良さそうです。

冒険者ギルド風の観光案内所、忍者居酒屋、海老茶式部が給仕をする大正ロマンなレストラン、英国風な執事&メイドカフェ、陰陽師や巫女姿の店員が働く茶屋など、どの店に入っても世界観を反映した内装にコスプレ店員がいて、各店に入る度にいろんな異世界体験ができる商店街というものがあったら、訪日外国人客にも人気のスポットになるかもしれません。

次回に続く


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