大江戸線延伸構想で夢のアニメラインを妄想してみた件 ③ 大江戸線延伸の夢プラン 後編

前回に引き続き、大江戸線延伸を実現するためのドリームプランを考えてみたいと思います。
前回は既存駅をアニメで盛り上げるお話をしましたが、今回は延伸による新駅に関わるプランです。

<大江戸線延伸駅>
⑫ 土支田駅(仮)
⑬ 大泉町駅(仮)
⑭ 大泉学園町駅(仮)
⑮ 新座中央駅(仮)
⑯ 清瀬北部駅(仮)
⑰ 東所沢駅


日本最大のアニメ・マンガ博物館の建設
土支田駅(仮)周辺は、大江戸線延伸用地の他にも、建物もなく農地にもなっていない未使用地を結構見かけます。
こうした土地を買い上げることで(元々練馬区所有の土地もあるかもしれません)、新たな施設を作ることも可能でしょう。

2025年度、練馬区は100億円を超える予算を投じて練馬区立美術館建設の踏み切る予定ですが、この美術館建設地は大江戸線延伸区域とは離れた場所で、相乗効果的が期待できそうもない計画となっています。
練馬区が本気で大江戸線延伸を実現させようと思うなら、なぜ大江戸線延伸駅付近に建設しようとしなかったのか、区の担当職員から区議会議員に至るまで、誰も思いもつかなかったのだろうかと疑問に思います。

[参考] 練馬区立美術館、建て替え費用1.5倍に高騰 第三者機関を設置へ / 朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/AST1R2S36T1ROXIE03LM.html

いっそのこと美術館建設は廃止して、その100億円を、大江戸線延伸のための新施設に投じてはいかがでしょうか。
作るものは当然アニメ・マンガの博物館です。
練馬区は、手塚治虫石ノ森章太郎松本零士の3巨頭が居住していた地ですから、このビッグ3の功績を伝える記念館も併設すべきでしょう。

東映アニメーションが運営している東映アニメーションミュージアムを拡張するのも良いかもしれません。『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『プリキュア』を擁する東映アニメーションを活用しない手はないはずです。
現在の小さなショールーム的なミュージアムを、遠方からも訪れたいと思わせるような本格的なミュージアムにすれば、インバウンド需要も見込めます。

練馬区は手塚治虫をはじめとする多くのマンガ家とゆかりがあり、現在でもマンガ家が多く在住しています。そこで、練馬区ゆかりのマンガ家の作品を所蔵する図書館を併設し、サイン色紙や生原稿の展示コーナーを設ければ、さらに客を呼び込むことも可能なはずです。
練馬区在住の高橋留美子に壁画を描いてもらったりしたら、さらに良いでしょう。
これらを内包した巨大な複合施設を建設し、「日本最大のアニメ・マンガ専門博物館」を謳えば、話題性も抜群です。

アニメ専門ビルを目玉に
同時にアニメショップも誘致しましょう。
現在の練馬区はアニメショップ不毛地帯ですが、アニメイトはもちろんのこと、数々のアニメ関連ショップ、コラボカフェなどを誘致すれば、よりアニメファンを呼び込むことができます。
アニメイトは池袋に巨大な本店ビルができたばかりですし、サンシャインシティにも数々のアニメショップが入居しているので、こちらは駿河屋やジーストアなど、池袋で展開していないようなショップを充実させることで、池袋との差別化を図ると良いと思われます。
池袋にはないプリキュアストアや、中野ブロードウェイにあるような個人経営のアニメショップが詰め込まれた雑居ビルなんてものも良さそうです。
駅前に複数のアニメショップが入居するアニメ専門ビルを建てたら、目玉にもなることでしょう。
こうして練馬区内の大江戸線沿線上に、秋葉原、池袋に負けないような一大アニメタウンを形成するというわけです。
練馬区には東映撮影所もあるので、仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズなどの特撮系も取り込んで、東映特撮ファンクラブのリアルショップを新設すれば、さらに秋葉原、池袋との差別化を図ることができるかもしれません。

新座市にアトムミュージアムを新設
手塚プロダクション 新座スタジオがある新座市は、アトムを名誉市民にしたり、JR新座駅の発車メロディが『鉄腕アトム』の主題歌だったり、地域通貨の「アトム通貨」を作ったりと、アトム推しをしています。
そこで延伸駅の一つである新座中央駅(仮)前には、アトムミュージアムを作りましょう。
手塚治虫の出身地である宝塚市には手塚治虫記念館がありますが、こちらはアトムに特化した博物館にするのです。

延伸の終着駅である東所沢駅には、KADOKAWAが日本のポップカルチャー発信拠点とすべく建設した、角川武蔵野ミュージアムを擁するところざわサクラタウンがあります。
現状では、アクセスの悪さやコロナ渦の影響もあってか、同時にオープンしたEJアニメホテルが、わずか3年足らずの2023年5月末に閉館するなど、集客に苦戦している様子。
しかし大江戸線で繋がることでアクセスの問題が解消されることが期待できるので、KADOKAWAには、ぜひともテコ入れして、終着点としての役割を担うだけの集客性を確保していただきたいところ。

アニメラッピング車両を運行して「大江戸アニメライン」としてPR
大江戸線の各駅の発車メロディをアニメソングにし、さらにはアニメのラッピング車両を運行するのも有効です。さらには駅アナウンスを人気声優が担当するなど、鉄道自体の付加価値も上げていくことが肝要でしょう。
名称も「大江戸アニメライン」として、東京都主導で、大江戸線を運営する東京都交通局、練馬区、新座市、清瀬市、所沢市に、既存路線の豊島区、新宿区といった路線上の自治体、さらにはKADOKAWAや東映アニメ―ションなどの企業も巻き込み、国内のアニメファンのみならずインバウンド需要を見込んだ、アニメタウン構想を打ち立てるのです。
経済の専門家を入れて、鉄道事業の収益性向上に留まらないエリア全体の経済効果が、年間50億円程になるような試算を出せれば、いまだ構想に過ぎない大江戸線延伸を、計画検討のテーブルに乗せることくらいはできるのではないでしょうか。