静岡が盛り上がる方法を考えてみた件① ガンダムが足りない 前編

実は静岡市内にはガンダムスポットが少ない

静岡は「模型の世界首都 静岡」のキャッチコピーを掲げ、プラモデルによるPRを実施しています。

現在、組み立て前のプラモデルパーツをイメージした「プラモニュメント」が市内に7つ設置されていますが、初期のものは、公衆電話やポストなど非版権ものがモチーフになっていました。
ところが、今年新たに設置された「プラモニュメント」では、静清信用金庫のマスコットキャラクターである「かけるくん」や、NHK大河ドラマ『どうする家康』にも出て来た徳川家康の「金陀美具足」がモチーフになっています。

そこで期待されるのは、ガンダムの「プラモニュメント」です。
静岡が推しているプラモデルの代表格と言えばガンプラが挙げられますが、実は静岡市内にはガンプラやガンダムのスポットがほとんどありません。
株式会社BANDAI SPIRITS ホビー事業部が運営する公式ガンプラ総合施設「THE GUNDAM BASE」は、東京、福岡、愛知にはありますが、静岡にはありません。
実物大ガンダムは、横浜の動くガンダムをはじめ、東京と福岡にはありますが、静岡にはありません。

静岡市内にはバンダイホビーセンターがありますが、施設内の工事に伴って工場見学を2019年10月から1年間の中止していましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で中止期間が延長されて以降、現在も再開されていません。
工場見学が実施されていた頃は希望者多数のために抽選が行われる程で、かく言う筆者も何度も申し込みましたが、抽選に落ち続け、工場見学を果たすことができませんでした。
工場前面にガンダムのウインドウイメージがある他は周辺に何もないため、建物外観の写真を撮るくらいしかできないとあって、外観を拝めるだけでもありがたいという熱心なファンを除けば、観光スポットとは成り得ないようです。

静岡駅内の観光案内所などを覗いてみてもガンダム関連のものは何も見られませんし、静岡浅間神社や久能山東照宮にはガンプラが飾られていたりしますが、それを目的に観に行く程とは言えない紹介程度の展示に過ぎません。

こちらは浅間神社の社務所内に展示されているガンプラです。

筆者が知る限りでは、静岡市内のガンダムのスポットと呼べそうなものは、たくさんのガンプラが展示されている静岡ホビースクエアと、静岡サービスエリアにあるガンダムをデザインモチーフにしたアパレル・ファッションショップ「STRICT-G」くらいです。

2010年に期間限定ではあったものの、JR東静岡駅に等身大ガンダムが設置された時には、やはり静岡はガンダムの聖地だと静岡県出身者として誇らしく思ったものでした。
期間を終えて等身大ガンダムが東京に戻ってしまった後、東京には新たにユニコーンガンダムが、横浜には動くガンダム、福岡にνガンダムと次々に出来る中、静岡では等身大ガンダムを建てようという動きもなく、「THE GUNDAM BASE」も出来ませんでした。

筆者の個人的な思い入れは別にしても、静岡では「模型の世界首都 静岡」のキャッチコピーを掲げており、プラモデルの中でも人気が高く、世界的にも多くのファンがいるガンプラは、PR効果の面では最も適したコンテンツであることは疑いようのないところでしょう。
これを活用しない理由があるとは思えず、静岡が二の足を踏んでいる、あるいは活用を控えているのは実にもったいのないことで、もっと静岡にガンダムが在って欲しいと願わずにはいられません。


次回に続く。

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