アニメ制作会社の生存戦略 その⑤ 企画・配給会社が新設した制作会社

連載コラム「アニメの未来を考える」

制作会社の分類の第二弾。今回は、「自社も出資会社の一角となり、版権収益+制作費で成立している大手制作会社」について説明していきます。

4. 企画会社や配給会社などが子会社として作った制作会社

近年、ソニーグループのアニメ企画・製作・配給会社であるアニプレックスが、2005年に設立したA-1 Picturesのように、アニメの企画プロデュースや製作に携わるような企業が、子会社として制作会社を新設する動きが見られるようになりました。

クオリティの高い制作会社は数が限られているため、アニメ制作の発注先は各社で取り合いにならざるを得ず、確保が難しくなっています。
良い企画があっても、それに見合う制作会社が確保できなければ、製作が立ち行かなくなります。企画・製作系の企業にとっては、制作会社の確保は大きな課題になりますから、それならば自社内に制作体制を抱え込んで制作の供給安定化を図ろうとするのは、ごく自然な流れとも考えられます。

以下に代表的な企画・製作系の企業が設立したアニメ制作会社を上げてみます。

<映像事業会社のバンダイナムコフィルムワークスの子会社> ※以下、()内は代表作品

  • アクタス/1998年設立
    (『ガールズ&パンツァー』など)
  • SUNRISE_BEYOND/2019年設立

<アニメ企画・製作・配給会社のアニプレックスの子会社>

  • A-1 Pictures/2005年設立
    (『ソード・アート・オンライン』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』など)
  • CloverWorks/2018年設立
    (『約束のネバーランド』『SPY×FAMILY』など)
  • Boundary/2020年設立

<アニメ企画プロダクション会社のツインエンジンの子会社>

  • スタジオコロリド/2011年設立
    (『ペンギン・ハイウェイ』など)
  • ジェノスタジオ/2015年設立
    (『ゴールデンカムイ』など)
  • スタジオカフカ/2020年設立
  • バグフィルム/2021年設立
  • スクーターフィルムズ/2021年設立

<コンテンツ事業会社のADKエモーションズの子会社>

  • スタジオKAI/2019年設立
    (『ウマ娘プリティーダービーSeason2』など)

このような動きは、今後も増えてくることが予想され、アニメに積極的に投資しているNetflixなどの配信プラットフォーマーも、いずれは自社で制作会社を持つようになるかもしれません。

次回以降は、この分類ごとに、各々の制作会社タイプの仕組みや特徴を解説していきます。


アニメ制作会社の生存戦略
その① 現在の制作会社の仕組み
その② 独立系の制作会社
その③ 自社作品に出資する制作会社
その④ 大企業の庇護下に入る制作会社
その⑤ 企画・配給会社が新設した制作会社