静岡ホビーショーに行ってきた件 ④ BANDAI SPIRITS・グッドスマイルカンパニー・海洋堂・他
まずはBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)です。
バンダイナムコ傘下なので、取扱う版権作品が最も多いメーカーです。
まずは『仮面ライダー』シリーズ
『ウルトラマン』シリーズ
こちらはゴジラとゴジラの骨格。
『ポケットモンスター』のプラモデル「ポケプラクイック!!(ポケモンプラモコレクション クイック!!)」シリーズ
『デジモンアドベンチャー』シリーズ
2023年配信のWEBアニメ『境界戦機 極鋼ノ装鬼』に、7月に劇場公開予定の『宇宙戦艦ヤマトREBEL3199』。
現在放送中の『怪獣8号』もあります。
1994~1995年に放送された『マクロス7』
レベルファイブのゲーム原作で2011~2013年にアニメが放送されていた『ダンボール戦機』シリーズ
フロム・ソフトウェアのゲーム『アーマド・コア』シリーズ最新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』
30分で組み立てられる量産機タイプのシンプル構成で、自分好みのカスタマイズが楽しめる新しいオリジナルプラモデルシリーズ『30 MINUTES MISSIONS』
こちらは同じコンセプトのアーマー美少女シリーズ『S30 MINUTES SISTERS』
カスタマイズコンクール「30 MINUTES LABEL カスタマイズミッションズ 2024」の受賞作品も展示されていました。
ここからは同じバンダイナムコ傘下のサンライズのロボットアニメが続きます。
1983~1984年放送の『聖戦士ダンバイン』
サンライズのロボットアニメ黄金期である1980年代に放送されていた『太陽の牙ダグラム』『戦闘メカ ザブングル』『銀河漂流バイファム』『重戦機エルガイム』『機甲戦記ドラグナー』です。
2006~2008年に放送された『コードギアス 反逆のルルーシュ』もありますね。
サンライズでは、この「静岡ホビーショー」の開催に合わせ、サンライズロボットが集結する特設サイト「サンライズロボット研究所」を開設しています。
1983年の放送以降、息が長く展開している『装甲騎兵ボトムズ』シリーズからは、外装パーツでバリエーションの異なるスコープドッグたちが勢揃いです。
1988~1998年に放送されていた『魔神英雄伝ワタル』シリーズ。新作アニメ制作も発表されています。
バンダイナムコにサンライズと言えば、代名詞的コンテンツである『機動戦士ガンダム』シリーズです。
1985~1986年放送の『機動戦士Ζガンダム』も根強い人気で、HGシリーズで毎回新作を出してくるのですが、今回の新作は、「ボリノーク・サマーン」と「サイコガンダムMk-II」。
『機動戦士ガンダムNT』の新作「シナンジュ・スタイン(ナラティブVer.)」
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』からも、SDガンダムと、組み立て式プラモデルのアクションフィギュアシリーズ「Figure-rise Standard」のキットが展示されていました。
ブースの中央にて幅広く展示されていたのは、やはり今年1月に公開された『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のキット。
話題になった「Z’GOK(ズゴック)」の監修中キットも展示されています。
こちらは、SDガンプラシリーズのハイエンドモデルMGSD(MASTER GRADE SD)
ガンプラをテーマにしたWEBアニメ『ガンダムビルドメタバース』もあります。
今年秋にNETFLIXで配信予定の『GUNDAM REQUIEM FOR VENGEANCE(機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム)』のMSも早くもキット化されていました。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』よりさらに大きな展示面積を占めていたのは、8月発売予定の「RG1/144 RX-78-2ガンダムVer.2.0」です。
筆者も子供の頃に作った経験のある1980年に発売された初代ガンプラ「1/144 ガンダム」の展示から、40年以上に及ぶ進化の歴史をコンパクトにまとめた展示になっていました。
これでもかというがんばった体勢で稼働領域を見せつけるポージング見本です。
内部パーツの解説です。1/144のサイズでこれだけの構造を実現した設計もスゴいのですが、この精密なパーツを量産できるバンダイの生産ラインの技術力もスゴい。
2013年発売の旧RGキットと、新発売のRG Ver.2.0です。
とても全部を紹介しきれない程ロボット模型の物量がハンパないBANDAI SPIRITSのブースですが、今回は特にサンライズロボット研究所関連を始め、往年の名作アニメのキットが過去にも増して多い印象です。
RGのコーナーでの初代ガンプラ展示にも目を惹かれました。
お次はグッドスマイルカンパニー
ブースの入口に鎮座するのは、炎の魔動王グランゾート。なぜにグランゾート推し!? となりましたが、ブースに入ってみると納得です。
今回の展示会は、全体的に懐古的な作品展示が多い印象でしたが、グッスマのブースはもう完全に懐かしのアニメ特集といった感じでした。
何でも今年はグッズマのプラモデルブランド「PLAMAX」10周年とのことで、記念的な展示となっているようです。
1983~1984年放送の『装甲騎兵ボトムズ』に、1981~1983年放送の『太陽の牙ダグラム』のPLAMAXです。
庵野秀明監督の「シン・」を冠した映画作品のコンテンツプロジェクト「SHIN JAPAN HEROES UNIVERSE」と、『超時空要塞マクロス』『マクロス7』。
今回PLAMAXの新作で、『うる星やつら』のラムが展示されていました。
一見するとわかりませんが、こちらは完成品フィギュアではなく、プラモデルなんです。
一部彩色済みの組み立てキットによるモデルキットシリーズ「MODEROID」シリーズの展示もありました。
まずは『機動警察パトレイバー』のレイバーたちです。
こちらはさらにマイナー作品である『超時空世紀オーガス』の「MODEROID」キットです。
『超時空要塞マクロス』の後番組で、今は無き東京ムービー新社制作のアニメなのですが、何とも懐かしい。
入口の特大フィギュアの理由がこれです。
1989~1990年放送の『魔動王グランゾート』の「MODEROID」の新商品で、ハイエンドモデル「King’s Style」。
サンライズ作品ながら、こちらも『魔神英雄伝ワタル』の後番組で知名度が低いマイナー作品で、こういう作品を取り上げるところがグッスマならではという感があります。
ここから、昭和~平成時代の懐かし過ぎる作品チョイスが爆発している展示が展開されます。
『覇王大系リューナイト』(1994~1995年放送)
『鉄人28号』(1963~1965年放送)
『太陽の使者 鉄人28号』(1980~1981年放送)
『超電動ロボ 鉄人28号FX』(1992~1993年放送)
『機動戦艦ナデシコ』(1996~1997年放送)
というこちらもなかなかマニアックなラインナップ。
さらに『超力ロボ_ガラット』(1984~1985年放送)
『宇宙の騎士テッカマンブレード』(1992~1993年放送)に、なんと『科学忍者隊ガッチャマンF』(1979~1980年放送)の「ガッチャ・スパルタン」です。
驚くべきことに、ガッチャマンフェンサーを構える大鷲の健まで再現されているではありませんか。
これ、ガッチャスパルタン合体完了時に発生するデルタパワーフィールドのエネルギーでもの凄いパワーを出す剣で、戦闘機に乗っているのに、機体の外に出て剣で敵をやっつけるというトンデモない設定なのですが、今日一興奮しました。
『機動警察パトレイバー』の完成品フィギュア。
グッスマが日本での販売を担っている香港発のハイディテール・トイのメーカーのthreezeroが展開する「ロボ道」のす。
同じく「ロボ道」の『装甲騎兵ボトムズ』です。
1体ずつ汚し塗装を施した3万円近くする高額完成品フィギュアとのこと。
この他、「ゴジラ」の映画に出てきた「スーパーX」だとか、『Fate/Grand Order』、『ベルセルク』のガッツ狂戦士Ver.の他、寿司プラモなんてものもありました。
グッスマでも力を入れている初音ミクは、16th Birthday Ver.のフィギュアが展示されていました。
そういえば、シンカリオンのプラモデルはグッスマから出ていたはずですが、『新幹線変形ロボ_シンカリオン』シリーズの最新作『新幹線変形ロボ シンカリオン チェンジ ザ ワールド』が現在放送中にも関わらず、全く展示されていません(見逃したのものか?)。
2022年までは新作を発売していたのですが、今期の版権は取りにいかなかったのかもしれません。
フィギュアメーカーとして有名な海洋堂では、超人気フィギュアをプラモデル化したものを「プラモケイ」と称して展開する「ARTPLA(アートプラ)」が展示されていました。
超絶美麗な造形を、塗装や改造でいろいろアレンジして楽しめるというものです。
買って飾るだけだった高額な完成品フィギュアを、組み立てて彩色・改造して自分だけのオリジナル作品にしていくという新たな楽しみ方を提供するもので、さすがは海洋堂という感じですね。
この他、海洋堂と同じく大阪のフィギュアメーカーのX-PLUSが展示していた『ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』『メトロポリス』のアンドロイドマリアなど、古典映画のプラモデルキットも目を引きました。
池袋に本社があるフィギュアメーカーのでも、マニアックな懐古的作品のキットが展示されていました。
1990~1991年にNHKで放送されていた『ふしぎの海のナディア』
1975~1976年放送の『タイムボカン』のタイムメカブトン、タイムドタバッタン、タイムクワガッタン、『邪神ちゃんドロップキック』から邪神ちゃんと、なぜかパンダ人間というマニアックなラインナップ。
こちらは、1981年放送の『戦国魔神ゴーショーグン』、1983~1984年放送の『亜空大作戦スラングル』と、何とも渋過ぎるチョイスばかり。この会社の企画会議参加したいくらいです。
主にアニメ作品に焦点を当てて紹介しましたが、ほんの一部に過ぎず、重機専門の模型メーカーやラジコンメーカー、塗料や接着剤のメーカー、カタログ系の出版社など、紹介しきれない数々の企業のブースがありました。
今回の展示会での総観としては、懐古的な作品のキットが非常に多かったことが挙げられます。
これまでも過去の作品のキットがなかったわけではありませんが、その数がこれまでにないくらい多い印象で、しかもかなり古い作品、マニアックな作品が取り上げられており、40~50代に刺さるようなものが目につきました。
新たな作品よりも、主要なターゲット層に支持されている名作を、現在の進化した技術で再キット化し、より高額で販売するという流れが模型業界のトレンドになっているように感じた展示会と言えそうです。
〈了〉
神籬では、アニメ業界・歴史・作品・声優等の情報提供、およびアニメに関するコラムも 様々な切り口、テーマにて執筆が可能です。
また、アニメやサブカル系の文化振興やアニメ業界の問題解決、アニメを活用した地域振興・企業サービスなど、様々な案件に協力しております。
ご興味のある方は、問い合わせフォームより是非ご連絡下さい。