静岡ホビーショーに行ってきた件 ① TAMIYA・TOMYTEC・タカラトミー

ホビーのまち静岡」を掲げる静岡県静岡市では、毎年5月にホビー業界の展示会が開催されています。それが昭和34年(1959年)から始まり、今年で第62回となる「静岡ホビーショー」です。

東京ビッグサイトで毎年秋に開かれる日本プラモデル工業協同組合主催の「全日本模型ホビーショー」の方が有名かもしれませんが、こちらは昭和37年(1962年)からなので、実は「静岡ホビーショー」の方が、少しだけ歴史が長かったりします。

静岡ホビーショー」の方は、地元企業のTAMIYAAOSHIMAHasegawaから成る静岡模型教材協同組合主催で、静岡市などの後援を受けた展示会なのですが、「全日本模型ホビーショー」と対立したり張り合っているというものではなく、日本プラモデル工業協同組合も協賛しているので、共にホビー業界を盛り上げようというイベントなわけです。


まずは自動車模型で知られるAOSHIMA(青島文化教材社)です。

「ハコスカ」の愛称で親しまれた「KPGC10スカイラインGT-R」の、スナップキット(1/32スケール)、スナップカー(1/24スケール)の両シリーズを実車と共に展示。

AOSHIMAと言えば、やはり自動車のプラモデルが有名ですね。

創業100周年ということで社歴の展示もありました。
https://special.aoshima-bk.co.jp/100th

1970年代にAOSHIMAが発売していた自社オリジナルのロボットシリーズのアトランジャーや合体マシンのタイガーシャークという博物館級のキットです。

第3期が放送中の『ゆるキャン△』や前シーズン放送の『MFゴースト』などは新作として当然のラインナップで、『伝説巨神イデオン』(1980年放送)にしても、以前に発売されたキットのカラー変更バージョン。
驚いたのは、『トラック野郎』(1975~1979年公開)に『西部警察』(1979~1984年放送)、『あぶない刑事』(1986~1989年放送)といった昭和感バリバリの作品のキット化です。

個人的にはあまりハマっていない作品ですが、往年の名作で自動車が得意なAOSHIMAならではのラインナップと言えそうです。


お隣のTOMYTECは、タカラトミーの子会社で、鉄道模型やミニカーで知られるメーカーです。

TOMYTECが展開しているキャラクターコンテンツ「鉄道むすめ」や、1990年代に一世を風靡した「電車でGO!」もありました。

ここでも『あぶない刑事』がありました。

新作映画『帰ってきた あぶない刑事』が2024年5月24日に公開予定なので、作中に登場する車両のミニカーや、タカとユージのfigmaも展示されています。

こちらはTOMYTECが展開する1/12スケールの銃火器模型×美少女フィギュアの「リトルアーモリー」シリーズの商品群です。

2024年3~6月の期間限定運行されている、静岡のローカル鉄道である静岡鉄道と『僕のヒーローアカデミア』のコラボ限定ラッピングトレインもキット化されていました。


親会社であるタカラトミーのコーナーもTOMYTECのブース内にありました。

タカラトミーと言えば、何といっても代表的シリーズである「ZOIDS」です。

より可動性やリアリティを追求して進化したアクションプラキットシリーズや、金属生命体をリアルに表現する合金モデル「鋼鉄機神(アダマスマキナ)」シリーズが展示されていました。

ZOIDS」と『北斗の拳』のコラボ商品「ワイルドライガー国王号」なんてものもあります。

トランスフォーマー』もタカラトミーが生み出し、今や全世界的に展開されるまでに成長したシリーズです。

こちらも「ZOIDS」と同じく金属生命体を表現する合金モデル「鋼鉄機神(アダマスマキナ)」シリーズの作品が展示されていました。

シリーズ名未発表の完成品アクションフィギュアシリーズも展示されていましたが、他に比べると何だか控え目な展示です。

ここでも往年の名作の再キット化・初キット化の展示がありました。
ラインナップは、1983年の『装甲騎兵ボトムズ』、1990年の『勇者エクスカイザー』、1997年の『勇者王ガオガイガー』、1998年の『Bビーダマン爆外伝』、といった作品に、今年の1~3月に放送され話題になった『勇気爆発バーンブレイバーン』もあります。
アニメだけでなく、2006年のテレビ愛知・松竹制作による特撮番組『魔弾戦記リュウケンドー』なんていう珍しい作品もありました。

圧巻だったのは、「ダイアクロン」の展示です。

ダイアクロン」と言えば、タカラトミーがまだタカラだった1980年代に発売されていた変形合体ロボットシリーズで、後に発展形として出された『トランスフォーマー』が大ヒットしたため、これに受け継がれる形でシリーズ解消となった知る人ぞ知るシリーズです。
今回の展示は、2016年に「新生ダイアクロン」としてシリーズ復活を宣言したシリーズの、全高約62cmの巨体にこれでもかとギミックを盛り盛りにした「超弩級基地型重機動マシン ロボットベースGX」の新装備である「GXソード」で、ロボットベースGXが5体も揃い踏みしています。

ダイアクロン」自体も40年以上前のものの復活シリーズで、『装甲騎兵ボトムズ』をはじめとする再キット化、歴史ある「ZOIDS」『トランスフォーマー』シリーズと、懐古的なラインナップが印象的な展示となっていました。

次回に続く。

〈了〉


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