国民的アニメの施設の有無について調べてみた件 ③ ポケモンの常設施設がない理由 後編

アニメの未来を考える

前回、かつて存在した『ポケットモンスター』シリーズのテーマパークであるポケパークについて取り上げました。
「愛・地球博(愛知万博)」の施設の一つで期間限定だったものの、185日間で総入場者数約415万人を記録する程の盛況ぶりだったそうです。

では、なぜそんな成功例のある『ポケットモンスター』の常設のテーマパークやミュージアムは現在では存在していないのか?
この疑問については、ポケモンの種類の増加が原因ではないかとの見方があります。

<原作ゲームの発売日と種類数>
1996年:ポケットモンスター 赤・緑(151種類
1999年:ポケットモンスター 金・銀(251種類
2002年:ポケットモンスター ルビー・サファイア(386種類
2006年:ポケットモンスター ダイヤモンド・パール(493種類
2010年:ポケットモンスター ブラック・ホワイト(649種類
2013年:ポケットモンスター X・Y(721種類
2016年:ポケットモンスター サン・ムーン(807種類
2016年:Pokémon GO(809種類
2019年:ポケットモンスター ソード・シールド(898種類
2022年:Pokémon LEGENDS アルセウス(905種類
2022年:ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(1008種類

上記の通り、3~4年程の間隔で新作ゲームが発売され、その度に100種類前後のポケモンが追加され、現在では1008種類にまで達しています。
これらのポケモン増加のスピードに追従していくのは、常設展としては厳しいのではないかというわけです。

確かに、『ポケットモンスター』の施設と謳っておきながら、ファンの間で話題となる新ポケモンが展示しないというわけにはいきませんし、どのポケモンに人気が集中するかが先読み出来ない以上、全種類を網羅する必要が出てくるとなれば、そのコストも相当なものになってしまいます。
ポケモンが増える度に会場を増設するわけにもいかないので、展示スペースの問題も出てきそうです。

さらに、放送開始時からのサトシとピカチュウを主人公としたテレビアニメシリーズが3月で終了し、4月から新主人公へと交代することが発表されており、ポケモンだけではなく、人物キャラクターたちも今後ますます増えていくことでしょう。

来場者を飽きさせないという点では、新ポケモンや新キャラクターは優位な要素ともなりそうですが、運営コストという点では足を引っ張りかねない要素ともなるので、そうしたことが、人気があってもテーマパークやミュージアムを作られない要因の一端になっているという見方もできそうです。

前回取り上げたポケパークは、2006年から2010年までの5年間で海外展開をしていく構想が発表されていました。ところが2006年は台湾で開催されたものの、2007年以降の展開が見送られたようなのです。
あくまで筆者の憶測ですが、もしかするとこれは、2006年9月に発売された『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』で107種類のポケモンが追加されて全493種類となったことで、2007年の開催では、ただの移設ではなく、新ポケモンたちを用意する必要が出てきて、そのコストが経営判断に影響したのかもしれません。

2021年10月にユニバーサル・スタジオ・ジャパンと『ポケットモンスター』のコラボが発表された際にも、ポケパークの再来を期待する声がありましたが、エリア新設ではなく、2023年3月からスタートするデータイムパレード「NO LIMIT! パレード」にポケモンが参加すると言う内容でした(第1弾コラボとのことなので、今後エリア新設の展開があるかもしれませんが)。

2025年開催予定の大阪・関西万博では、『ポケットモンスター』がスペシャルサポーターとなっており、こちらもポケパークが復活するのではとの声が出ていますが、建設工事が相次ぐ入札不成立などもあり、いまだに各展示の詳細が発表されていません

『ポケットモンスター』のコンテンツ戦略を統括する株式会社ポケモンからは、今のところ、テーマパークやミュージアムのような構想は伺えません。

現在展開されているオフィシャルショップのポケモンセンターは、店内にポケモンたちの立体造形が設置されており、店内の装飾も作中のポケモンセンターを模しているのが特徴となっています。
このことから、このポケモンセンターに可能な限りミュージアムやテーマパーク的な要素を盛り込んでいるとの見方もできるかもしれません。

また、287枚(2023年2月時点)に及ぶポケモンのデザインマンホール(ポケふた)や、ピカチュウのラッピング自販機などのスポットを全国各地に展開していたり、福島県内には県の応援ポケモン(推しポケモン)であるラッキーをテーマにしたラッキー公園が4ヵ所あり、さらに香川県内には、応援ポケモンであるヤドン仕様のポストやヤドンホテル、ヤドンタクシーなどがあって、2023年4月にはヤドン公園も開園するとのことです。

一か所に大きな集客施設を作るのではなく、全国各地に小さな『ポケットモンスター』のスポットを数多く点在させることが、株式会社ポケモンの考えるコンテンツ戦略なのかもしれません。

次回に続く。


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