オタク的見地から、今後できてほしいと思うサブカルスポットを考えてみた件⑮ 私設神社のススメ

アニメの未来を考える

日本のアニメは、良い意味で宗教観が少ないことが、海外ファンに支持される要因の一つとなっているのですが、逆に宗教観がないことによって、容易に宗教をモチーフにしたり、宗教に対しての抵抗感のないアプローチをすることがあります。

作品で言えば、ブッダとイエスが立川の安アパートで同居する『聖☆おにいさん』とか、中学2年生の女の子が突然神様になってしまう『かみちゅ!』など、神様が登場するアニメが数多くありながらも、あくまでモチーフにして楽しい物語を展開しているだけで、そこには宗教的教義を肯定したり、異教を批判したりする、いわゆる宗教観というものが欠落しています。

もう一つのアプローチとして、水木しげるロードの「妖怪神社」、石巻マンガロードの「萬画神社」、温泉むすめの「真尋ちゃん神社」などのように、アニメやマンガをテーマにした私設神社が存在していることも挙げられます。
意外にも、こうした私設神社を作ることは宗教法人でないといけないなどの法規制がなく、神社本庁※に所属することなく勝手に「神社」を呼称することも自由なのだそうです。
お守り販売や御朱印などで収益があったり、寄付金があったりしても、ちゃんと所得税を収めさえすれば合法的に運営が可能とあって、上記のような私設神社を公然と作ることができるわけです。

以前のコラムでも触れた『ドラゴンボール』の神龍を祀った神社や、『かみちゅ!』や『ああっ女神さまっ』、『ノラガミ』といった作品に登場するオリジナルの神様を祀った神社などにように版権作品を扱ったものから、手塚治虫や藤子不二雄を祭神にしてマンガ神社を建立したり、フィギュアの神様、メイドの神様、忍者の神様など勝手なオリジナル神様を創作するのでも良いでしょう。
ともかく最初にやった早い者勝ちなので、これまでに存在しないオンリーワンな神社を建てて、そこを特定ジャンルの巡礼スポットとしてファンの集客拠点化し、地域活性化につなげるのです。

神社にお参りする、占いをする、お守りを買うという時点で、すでに現地に訪れることや購買という行動を発生させることができるわけなので、後はそこを拠点にイベントを仕掛けても良いし、関連する私設や店舗を展開することも可能でしょう。
石川県・湯涌温泉の「湯涌ぼんぼり祭り」のように、オリジナルのお祭りを創って開催しても良いでしょうし、埼玉県・鷲宮神社の「らきすた神輿」のように、オリジナルの神輿を制作しても良いかもしれません。
個人的には、動く機械仕掛けの御神体を祀るロボットの神様なんてものが出来てくれたら、是非ともお参りに行ってみたいところです。


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※神社本庁は、伊勢神宮を本宗として日本全国の神社を包括する宗教法人