『ONE PIECE』のエンディングが17年ぶりに復活した件

国民的アニメである『ONE PIECE』で、長らくなかったエンディング曲が、8月6日放送の第1071話から17年ぶりに復活したことが話題となりました。

先のコラムで、アニメソングは基本フォーマットとして89秒で作られているのが一般的ですが、『ONE PIECE』の場合はこれに当てはまらず、現在のオープニング曲であるI Don’t Like Mondays.の「PAINT」は、119秒という長さとなっており、逆にエンディング曲がありません。

『ONE PIECE』も放送当初は、一般的なフォーマット通り、オープニングから本編の後にエンディングがありました。ところが、エンディング曲は第264~278話で使用されたデリカテッセンの「ADVENTURE WORLD」を最後になくなり、2006年10月以降は拡張オープニングにエンディング無しという形が定着しています。
この理由は明確には表明されていませんが、チャンネル変更を抑止するための手段だと一般的には言われています。
実際に、次回予告の後、CMも挟まずに次番組が開始されているので、チャンネルを変えるタイミングを与えない形になっているのです。

ちなみに、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』などもエンディングがなく、エンドテロップは番組終盤に画面下に流れる形式となっています。
国民的アニメはみんなそうなのかというと、そういうわけではなく、『名探偵コナン』や『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』などは普通にエンディングがあり、局や時間帯、視聴者層などによっても異なっていて法則性のようなものはありません。

『ONE PIECE』では、今週の放送から、Chilli Beans.の「Raise」を採用したエンディングが加わり、オープニングは119秒から89秒に短縮され、基本フォーマットに戻ったわけです。

復活の理由はエンディングがなくなった時と同じく名言されていないものの、昨今の音楽シーンを見てみると、人気アニメの主題歌効果は非常に大きいことから、アーティストや音楽会社にとってのメリットが、チャンネル変更リスクを上回ると判断されたのかもしれません。

『ONE PIECE』の楽曲は、初期の頃は日本コロムビアやポニーキャニオンなどのものもありましたが、近年はエイベックス系のアーティストばかりとなっており、今回のChilli Beans.もエイベックス・エンタテインメントのレーベルであるA.S.A.B所属のアーティストです。
『ONE PIECE』のDVD・Blu-rayは、全てエイベックス・ピクチャーズから発売されていることもあって、エイベックスとの結びつきが強いことから、エイベックス側から要望があったとも考えられます。

そうなると、背景には、映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌であるAdoの「新時代」の大ヒットによる影響もあるかもしれません。

いずれにせよ、音楽シーンにおけるアニメの存在感や影響力は大きく、今後も主題歌となる楽曲の重要性はますます高まっていくことになるでしょう。

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※ Adoは、ユニバーサル ミュージックのレーベルであるVirgin Music所属。