練馬区がアニメで盛り上がるアイデアを考えてみた件 後編

練馬区をアニメで盛り上げる方法を考えてみた件

前回、前々回と、練馬区はもはやアニメを捨てたのでは、とも思われる状況を取り上げましたが、そんな中にあって、敢えて練馬区をアニメで盛り上げる方法を、区の意志を無視して空想してみたいと思います。

まず、大泉アニメゲートの銅像を綺麗にします。
ゲートは町の顔なのですから、ここの手入れが十分でないのは、大泉まで訪れて下さった方々へのおもてなしの気持ちが感じられないでしょう。

次に、廃墟と化している富士見台の旧虫プロ社屋を買い上げ、アニメ博物館として整備します。
ここは豊島区のトキワ荘マンガミュージアムの実例があるのですから、大いに真似をしたら良いかと思います。
そして、この旧虫プロ社屋から、富士見台ほんちょう通り商店街を通って駅までの1km程の通りを「手塚治虫ロード」として、一定距離ごとに手塚治虫のキャラクターたちのモニュメントを設置し、街灯もアトム仕様のデザインに変え、各商店にもキャラクターグッズの販売や、アトムの顔が入ったお菓子などを作ってもらいます。
さらに、富士見台駅前には、手塚治虫の銅像を設置。
(実写的な銅像よりも、漫画チックな自画像をモチーフにした銅像の方が良いかもしれませんし、石ノ森章太郎、松本零士を加え、それぞれの自画像をモチーフにした3人セットの銅像も良いでしょう)
ほんちょう通り商店街には、かつて手塚プロが2・3階を借りて事務所にしていた越後屋※1という精肉店&レストランもありますから、手塚治虫にちなんだメニューを開発してもらって、観光名所化するのも良いでしょう。

現状の『うる星やつら』『銀河鉄道999』『あしたのジョー』のデザインマンホールのラインナップでは、40歳代以上の人とかが対象でないと訴求力があまり持てないかもしれません。

東映アニメーションがあるのですから、幅広い層へ訴求できるベストなラインナップは『ONE PIECE』『ドラゴンボール』『プリキュア』でしょう。

『ONE PIECE』『ドラゴンボール』は集英社がらみでもあって難しいようであれば、『プリキュア』シリーズのみでも良いかもしれません。
来年2023年に『プリキュア』シリーズは20周年を迎えます。これは絶好の好機ですから、各作品全20枚を区内各所に配置すれば、『プリキュア』ファンはコンプリートを目指して区内を回遊します。
マンホールの設置場所やマンホールカードの廃部場所を、商業施設や名所に適切に配置できれば、区内の活性化や魅力PRに繋がることでしょう。
『プリキュア』シリーズは、毎年新作が登場するので、毎年1枚ずつ追加して、適切に広報していけば、話題も途切れず、客足も絶えません。

区内最大規模のショッピングセンターである光が丘IMAには、池袋のサンシャインシティにある噴水広場には及びませんが、屋内ステージがあるので、プリキュアショーを定期開催します。
そして、光が丘IMA内に、アニメイトかヴィレッジヴァンガード、プリキュアプリティストアを誘致します。
プリキュアプリティストアは、『プリキュア』のオフィシャルショップで、大阪の本店と東京駅、横浜の3店舗しかありませんから、ファンにとっては貴重な店舗です。きっと市街からもお客がやって来るでしょう。

練馬駅の駅前施設ココネリや区役所内では、『うる星やつら』や『らんま1/2』、『犬夜叉』などの高橋留美子作品モニュメントを配置し、区役所本庁舎20階の展望ロビーに、高橋留美子の常設ギャラリーなどを設けても良いかもしれません。
同階の展望レストランでは、高橋留美子作品にちなんだメニューを導入したり、イラスト入りのメニュー表やコースターなどを入れても良さそうです。
練馬駅前には、松屋フーズが展開する中華料理屋「松軒中華食堂 練馬店」があるので、中華繋がりで『らんま1/2』とコラボして、この練馬店だけ『らんま1/2』仕様にしてもらって、限定メニューや限定パッケージなどの展開をしても面白いでしょう。

江古田は元々カプセルトイの専門店があったり、練馬区内でも珍しくサブカル色のある町なので、よりディープな練馬区ゆかりのマンガ家やコラボ店舗、モニュメントなどを配してみたら、上手くマッチしそうです。
練馬区には手塚治虫をはじめ、松本零士、石ノ森章太郎、高橋留美子、ちばてつや、モンキーパンチ、いがらしゆみこ、あだち充、弘兼憲史、柴門ふみ、あずまきよひこ、白土三平など、ゆかりのあるマンガ家も多数なので、これらの作家たちのモニュメントやイラストなどを、町の至る所に配置するといった、ある意味カオスな街並みの演出が、江古田の雰囲気には合うかと思われます。

また、練馬区内には、ドラえもんの公園のモデルになったけんか公園※2の他、作中で描かれていたような土管がある公園が存在しているので、キャラクターのオブジェや遊具などを整備してドラえもん公園化してしまうと、まさに舞台地である練馬区だからこそ可能な、『ドラえもん』の聖地として新たな観光名所となってくれるでしょう。

大泉学園には、すでに松本零士関連のモニュメントがあるので、こちらを松本零士エリアとし、富士見台を手塚治虫エリア、光が丘をプリキュアエリア、練馬駅周辺を高橋留美子エリア、江古田をマンガ家エリア、土管のある公園は極地的にドラえもんの聖地と言った具合に、エリア分けして展開します。

他にもアイデアはたくさんあるのですが、キリがないのでこれくらいにしておきましょう。
このように、練馬区をアニメで盛り上げようと思ったら、いろんなことが考えられますが、それはひとえに素材や宝の原石が元々練馬区内に眠っているからに他ありません。
ここまで恵まれていながら、それを活用しないで放置している様は、あまりにももったいないと思えてなりません。


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※1.越後屋は、同建物内でカレー屋とレストランも経営しており、レストラン内には手塚治虫から寄贈されたオリジナルイラストの複製が飾ってあります。店のシャッターにも同じ絵柄がプリントされており、閉店時には通行する誰もがイラストを見ることができます。

※2.けんか公園は、個人の所有地で、所有者のご厚意で、遊び場と同時に災害時の避難所として利用すべく無償提供されている場所なので、遊具やオブジェなどを整備することは難しいかもしれません。
土管のある公園の方は、『ドラえもん』の公園のモデル地ではありませんが、整備してドラえもん公園化するのには、特に問題がなさそうに思われます。


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