5月27日は『ドラゴンクエスト』が発売された日

5月27日は、37年前に『ドラゴンクエスト』が発売された日で、「ドラゴンクエストの日」として日本記念日協会認定の記念日となっています。
1982年に開催されたエニックス主催の「第1回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」で出会ったフリーライターだった堀井雄二※1とプログラマーの中村光一(優秀プログラム賞受賞)※2が、米国アップル社展示会「アップルフェスト」に視察に行った際に、当時のアメリカでブームとなっていたコンピュータRPG『ウィザードリィ』※3と『ウルティマ』※4に感化され、この2作品のいいとこ取りで作るRPGを企画します。
そして、堀井と中村と一緒に「アップルフェスト」を訪れていたエニックス取締役・千田幸信がプロデュースを担当し、堀井がシナリオ・ゲームデザインを担当、プログラミングは中村光一が設立したゲーム会社チュンソフトが担当することになりました。
堀井は当時、集英社の「週刊少年ジャンプ」にファミコン関連の記事を執筆していたこともあり、この企画を聞いたジャンプ編集担当の鳥嶋和彦が、ジャンプでゲームが出来上がる行程を追いたいと思いつきます。
そこで、編集部を説得するために、当時『ドラゴンボール』を連載していた鳥山明にキャラクターデザインを依頼。
また、プロデューサーの千田が、エニックスへ将棋ソフトのアンケートハガキを個人的に送って来たことで知り合っていた作曲家のすぎやまこういちに音楽を依頼します。
中村は当初、ゲームを知らない人が作曲することや、意図と違っても文句を言えないのではとの不安から拒否反応を示したのですが、中村とすぎやまが直接話をし、すぎやまが大のゲーム好きであることで意気投合して作曲依頼を承諾したとのことです。その後、すぎやまはたった1週間で8曲のゲーム音楽を仕上げたそうです。
こうして『ドラゴンクエスト』が、1986年5月27日にエニックスよりファミリーコンピュータ用ゲームソフトとして発売され、以降『ドラゴンクエスト』は長年にわたって続編が製作・発売されてシリーズ化し、国民的ゲームとなりました。
第1作のキャッチコピーは「今、新しい伝説が生まれようとしている」というものでしたが、文字通り伝説を生んだと言えるでしょう。
<『ドラゴンクエスト』シリーズ一覧>
『ドラゴンクエスト』 1986年5月27日発売(FC用)
『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』 1987年1月26日発売(FC用)
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』 1988年2月10日発売(FC用)
『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』 1990年2月11日発売(FC用)
『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』 1992年9月27日発売(SFC用)
『ドラゴンクエストVI 幻の大地』 1995年12月9日発売(SFC用)
『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』 2000年8月26日発売(PS用)
『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』 2004年11月27日発売(PS2用)
『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』 2009年7月11日発売(DS用)
『ドラゴンクエストX オンライン』 2012年8月2日発売(Wii用)
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』 2017年7月29日発売(PS4・3DS用)
神籬では、このようなアニメやSF映画などの作中での架空の出来事が起きた日や、キャラクターや声優、作家などの誕生日、有名作品の放送・連載開始日の他、ツインテールの日やウルトラマンの日などの記念日など、サブカル系ジャンルに関連の深い日付情報を網羅したデータベースを取り扱っています。
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※1 当時フリーライターだった堀井雄二は、ゲーム仲間だったジャンプ編集担当の鳥嶋和彦から「第1回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」の取材を依頼され、自らも自作ゲーム『ラブマッチテニス』を応募して入選プログラム賞受賞し、授賞式で同じく受賞者である中村光一と知り合います。
※2 中村光一は当時アマチュアプログラマーで、マイコン専門誌に投稿したプログラムツールや移植ゲームが販売されて高校生ながら多額の印税収入を得ていました。
「第1回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」では、応募した初のオリジナルゲーム『ドアドア』が準優勝にあたる優秀プログラム賞に入選。
翌1983年に大学へと入学すると、販売された『ドアドア』やエニックスでリリースした別のパソコンゲームの印税収入によって年収は1,000万円を超え、大学2年時に友人らとゲーム会社チュンソフトを設立していました。
※3 『ウィザードリィ』は、1981年に米国サーテック社から発売されたコンピュータRPGです。
9か月間で24,000本も売り上げたヒット作品で、翌年以降続編や外伝ゲームが次々に発売されてシリーズ化し、様々なプラットフォームにも移植されました。1985年には、日本語版がアスキーより発売されています。
日本では、1991年にアスキーから発売された『ウィザードリィ外伝』をはじめ、国内販売のみの独自展開もされています。
ファンタジー世界を舞台に、3Dダンジョンを探索してモンスターと戦い、クエストとキャラクターの成長が楽しめるゲームとなっています。
※4 『ウルティマ』は、1981年に米国オリジン社から発売されたコンピュータRPGです。
こちらも『ウィザードリー』同様のファンタジー世界を舞台としており、4つの大陸、8つの城と迷宮を駆け巡ってクエストとキャラクターの成長が楽しめるゲームです。
『ウィザードリー』とは異なり、2Dフィールドと3Dダンジョンを組み合わせた構成となっており、よりドラゴンクエストに近い印象となっています。