5月25日はスター・ウォーズシリーズの第1作目『スター・ウォーズ』が公開された日

5月25日は、46年前である1977年に『スター・ウォーズ』シリーズの第1作目『スター・ウォーズ』(現『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』)が全米で劇場公開された日です。

ちなみに、この記念すべき日は、『スター・ウォーズ』の記念日になっておらず、記念日として知られているのは、5月4日の「スター・ウォーズの日」の方となっています。
では、5月4日に何があったのか?
実は5月4日自体には『スター・ウォーズ』に直接関わる出来事はありません。
『スター・ウォーズ』のシリーズを通してジェダイの騎士たちが使う「フォースと共にあらんことを」という名ゼリフがあるのですが、この原語である「May the Force be with you」を「May the 4th(5月4日)」にかけた語呂合わせから生まれた記念日なのです。

いまや『スター・ウォーズ』シリーズは世界的な人気作品なので、映画自体の説明は不要でしょう。
監督・脚本・製作総指揮は当時30代前半だったジョージ・ルーカス。
1973年公開の『アメリカン・グラフィティ』が大ヒットして一躍有名監督となっていたルーカスが、映画会社の20世紀フォックスに自ら企画を持ち込んで製作されました。
ベトナム戦争後で内省的な空気が蔓延し、シリアスな映画ばかりが作られていた時代である1977年に公開されたこの『スター・ウォーズ』は、元々はアメリカの古き良き娯楽映画を復権させようと企画されたもので、ルーカスが学生時代に学んでいた人理学や神話学の知識を取り入れ、宇宙戦争、西部劇、海賊、ラブロマンスなど様な娯楽要素を盛り込んだ上、夢中になっていた黒沢明監督の時代劇作品のオマージュも込められていました。

映画が公開されるとポジティブな娯楽作品に飢えていた大衆がこの作品に飛びつき、瞬く間に記録的大ヒットとなりました。日本をはじめ約80カ国でも公開され、同年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』などと共に世界的なSFブームを巻き起こし、以降も続編が製作され、現在も世界中の熱烈なファンから支持される映画シリーズとなっています。

注目すべきは、ジョージ・ルーカスが20世紀フォックスと交わした契約です。
当初、ルーカスの映画企画に難色を示していた20世紀フォックスは、ルーカスの猛烈な売り込みに負けて製作にGOサインを出したものの、経営陣はこの企画にほとんど興味を示さなかったそうです。
当然ながら監督料も出し渋るのですが、ルーカスは監督料を上げる代わりにとマーチャンダイジング権の半分を要求し、交渉の結果、これを20世紀フォックスが承諾します。

結果は20世紀フォックスの予想に反して記録的大ヒットで、ルーカスは、マーチャンダイジング権に含まれるキャラクター玩具から、衣類、ノベライズ、ゲームなどの収益を含め、莫大な利益を手にすることになりました。
この『スター・ウォーズ』の大ヒットをきっかけに、映画のグッズが莫大な利益を生むことを知った映画産業が、それまでの映画館でのチケット販売というビジネスモデルから、映画から派生する様々なマネタイズを含めた総合的なビジネスモデルに拡張していくことになったと言われています。
『スター・ウォーズ』は、世界的なSFブームを巻き起こしただけではなく、映画産業の構造自体に変化をもたらした作品でもあったわけです。

そんな名作の『スター・ウォーズ』ですが、初公開された当初は、映画館側がこの作品を低俗なB級映画だと見なして上映を渋ったとのことで、20世紀フォックスは、他作品との抱き合わせでの上映で何とか映画館側の承諾を得るなど売り込みに苦労をし、公開されたのは全米わずか32ヵ所だったとのことです。

試写での低評価や思わしくない配給状況から失敗を確信したルーカスは、結果を聞くのを怖れて電話の繋がらない海外の別荘に籠ってしまったといいます。
さらに弱気になっていたルーカスは、友人のスピルバーグに『未知との遭遇』の収益歩合と『スター・ウォーズ』の収益歩合を交換しようと持ち掛け(実際には印税の2.5%)、『スター・ウォーズ』を高く評価していたスピルバーグはこれを了承。結果、『スター・ウォーズ』は『未知との遭遇』を超える大ヒットとなり、現在もスピルバーグに収益をもたらしているとのことです。


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※ 特に影響を強く感じるのは、『隠し砦の三悪人』で、C-3POとR2-D2のコンビを思わせる農民である太平と又七の逃走シーンで始まる点や、秋月家の生き残りである雪姫を逃すため、三船敏郎演じる真壁六郎太が、敵の侍大将との一騎打ちで時間を稼ぐところも、レイア姫やルークを逃すためにオビ=ワン・ケノービがダース・ベイダーと一騎打ちをするなど、類似点が多く見られることが知られています。
さらに、辞退されてしまったものの、オビ=ワン・ケノービ役として三船敏郎に出演依頼をしていたことも知られており、その他、ジェダイの由来が「時代」だったり、ダース・ベイダーのイメージモデルが戦国時代の鎧だったり、『用心棒』や『七人の侍』の場面を思わせるシーンも随所に見られます。