BLUE GIANTが聖地ブルーノート東京で上映される件

アニメの未来を考える

2013~2016年に小学館の「ビッグコミック」で連載されていた石塚真一のマンガ『BLUE GIANT』を原作とする劇場版アニメが、今年の2月に公開されました。
興行収入10億円を突破する程の人気を博し、ロングラン上映されたので、まだわずかに上映されている映画館もあるようですが、現在は概ね上映が終了しているようです。

原作では4巻までが仙台編、4巻の終わりから10巻までが東京編という構成ですが、映画版は東京編を中心に描かれています。
そのため、映画では仙台編はほとんどカットされているので、ほぼ舞台は東京なのですが、それでも原作的には仙台を舞台にした作品でもあることから、映画公開に合わせ、仙台市内3カ所に『BLUE GIANT』のデザインマンホールが設置されました。

そんなわけで、東京がメイン舞台のこの映画版『BLUE GIANT』では、世界一のジャズプレーヤーを目指す主人公が、仙台から東京に上京して出会った同い年のピアニストと、高校時代の親友とバンドを組み、ジャズプレーヤーにとっての聖地である名門ジャズクラブ「SO BLUE」への出演を目標に腕を磨いていくというストーリーになっています。

そしてこの「SO BLUE」のモデルが、南青山にあるブルーノート東京で、作中では店舗外観から内装に至るまでかなり忠実に描かれていました。

ブルーノート東京はニューヨークにある本店の姉妹店として1988年にオープンした格式高い店で、作中で描かれたのと同じく世界屈指のジャズクラブなのですが、この場所で、5月8日に映画『BLUE GIANT』の上映イベントが行われるのです。
ジャズの殿堂ですから、当然ならが映画興行は初の試み。クラブのサウンド環境を活かし、このイベントのためだけに特別に構築した7.1chサラウンドのスピーカーシステムで上映され、ライブシーンでは生ライブさながらの体験ができるとの触れ込みです。

BLUE GIANT A FILM SCREENING at Blue Note Tokyo

近年の大河ドラマでは、舞台となった自治体で初回や最終回の上映会が行われるようになりましたが、聖地となった場所でアニメの上映会が行われるというのは例が少なく、今回のイベントは、作品性や人気の高さ、聖地が上映に適していた場所であったなど、複数の条件が揃った結果で、なかなかない出来事と言えるでしょう。

現在放送中の『青のオーケストラ』をはじめ、『ラブライブ!』『THE IDOLM@STER』『BanG Dream!』といったシリーズなど、音楽アニメやアイドルアニメも増えていることもあり、今回のイベントの好評次第では、ライブ会場とのコラボを前提に作品が作られ、ライブ会場での上映イベントがマストとなるアニメ作品が出てくるかもしれません。


神籬では、アニメの文化振興や関連事業への協力の他、アニメを活用した自治体や企業へのサービス・イベント・事業などの企画立案など様々な活動を行っています。
ご興味のある方は、問い合わせフォームから是非ご連絡下さい。
アニメ業界・歴史・作品・声優等の情報提供、およびアニメに関するコラムも 様々な切り口、テーマにて執筆が可能です。こちらもお気軽にお問合せ下さい。


※『BLUE GIANT』は完結済みで全10巻が発売されており、続編『BLUE GIANT SUPREME』も完結済みで単行本が全11巻発売、さらなる続編『BLUE GIANT EXPLORER』が連載中で第8巻までが発売されています。