陸上自衛隊広報センター りっくんランドに行って来た件 前編
長崎県佐世保市の海上自衛隊佐世保史料館、静岡県浜松市の航空自衛隊浜松広報館に次ぐ規模で、関東圏では唯一となる自衛隊の大規模広報施設の陸上自衛隊広報センター(愛称「りっくんランド」)に行って来たので、レポートの形でご紹介したいと思います。
埼玉県の朝霞市・和光市・新座市、さらに練馬区の一部に跨る陸上自衛隊朝霞駐屯地の入口脇にある施設で、地理的には完全に朝霞市にありながらも、正式な登録住所は練馬区大泉学園町ということになっています。
愛称の「りっくんランド」は広報センターのマスコットキャラクター「りっくん」から来ているのですが、キャラクター推しのテーマパーク的なものではなく、展示内容はあくまで真面目なもので、博物館と言った方が実体に近い印象の施設です。
メイン展示室の全景です。だだっ広い空間に、ジオラマ風に展示された戦闘車や戦闘ヘリなどが目を引きます。
こちらは16式機動戦闘車です。
戦車のような外観ですが、装軌(キャタピラ式)ではなく装輪(タイヤ式)の装甲戦闘車両として、戦車とは別物とされているようです※。
施設内の隊員の方に「あそこの戦車なんですけど…」と話を聞こうとしたら、「ああ、あの戦闘車ですね」と軽く訂正されてしまいました。
展示室の真ん中に堂々と置かれているのは、対戦車ヘリコプターAH-1S(通称「コブラ」)で、なんと操縦席に座ることもできます。
後継機であるAH-64(通称「アパッチ」)はデジタル系の計器類が導入されていますが、この機体のコクピットの計器類はアナログな印象。スリムなボディが特徴の機体なので、コクピットは思った以上に狭く感じましたが、係員に聞いたところによると、パイロットの方は細身の人が多いので問題ないそうです。
戦闘機のように真ん中に操縦桿があるのかと思いきや、左手のスロットルレバーでスピード調整、足元のペダルで左右の移動方向を操作し、細かい調整を右手の操縦桿で微調整をするとのことで、操縦方法まで詳しく教えてもらえました。
ガトリング砲やロケットランチャー、ミサイルランチャーなどの武装も間近で見ることができるので迫力抜群です。
一般用戦闘背嚢(12kg)や空挺傘(15kg)などを背負って実際の重さを体験できるコーナーもあります。
小銃や機関銃、地対空誘導弾(ハンドアローもしくはスティンガー、厳密には違いますがバズーカと言った方が一般的には通りがよいかもしれません)といった歩兵の形態武器も展示されています。
乗車もできる偵察部隊用のバイクや、埼玉県で発見されて自衛隊が処理した第二次大戦時の米国製の不発弾といった展示もあります。
空挺降下や物資投下のパラシュートの実物が広げた状態で展示されているので、その大きさが実感できます。
コブラは後ろから見るとそのスリムさがよくわかりますね。
次回に続く。
※通常の定義では、装軌(キャタピラ式)のものを戦車、装輪(タイヤ式)のものを装甲戦闘車両、あるいは機動戦闘車として分類されていますが、国防の戦力などを定める条約などの際には、重量や一定口径以上の360度旋回砲の有無などによって戦車を定義し、キャタピラかタイヤかは問われない場合もあるようです。