『頭文字D』の藤原豆腐店が存在する件 後編
日本ではほとんど知られていませんが、実は台湾には、「藤原豆腐店」を名乗る店が複数存在しています。
2005年の香港映画『頭文字D THE MOVIE』で主人公・藤原拓海を演じた周杰倫(ジェイ・チョウ)というのは、台湾出身の有名歌手であることから、台湾でも『頭文字D』がよく知られており、「藤原豆腐店」という店舗が作られたようなのです。
Google Mapに登録されている店舗だけでも、
藤原豆腐店 北区店(台中市北屯區)
藤原豆腐店 北屯店(台中市北屯區)
藤原豆腐店 水湳店(台中市北屯區)
藤原豆腐店 軍功店(台中市北屯區)
藤原豆腐店 南屯店(台中市南屯區)
藤原豆腐店 大墩店(台中市南屯區)
藤原豆腐店 逢甲店(台中市西屯區)
藤原豆腐店 中科店(台中市西屯區)
藤原豆腐店 大里店(台中市大里區)
藤原豆腐店 太平店(台中市太平區)
藤原豆腐店 豊原店(台中市豐原區)
藤原豆腐店 林森店(台中市西區)
藤原豆腐店 三民店(桃園市桃園區)
藤原豆腐店 中美店(桃園市中壢區)
藤原豆腐店 大業店(桃園市桃園區)
藤原豆腐店 彰化店(彰化縣彰化市)
藤原豆腐店 彰美店(彰化縣彰化市)
藤原豆腐店 員林店(彰化縣員林市)
藤原豆腐店 頭彬店(苗栗縣頭份市)
といった具合にかなりの店舗数があります。
ただし、上記の店舗は豆腐を中心とした食料品のチェーン店で(豆腐専売店もあり)、店舗名だけを流用したものらしく、外観は作中のものに寄せていません。
これらの豆腐を売っていることから名前を流用したという店とは別に、看板を作中のものに似せた「藤原豆豆店」なる『頭文字D』コンセプトのコーヒーショップもあります。
https://www.instagram.com/ae86mini/
こちらは店舗なにかもわかりませんが、作中のものにそっくりな看板を掲げています。
閉店済ですが、かつては「藤原豆腐店」の店舗名で営業していた、作中の店舗外観そっくりな日本料理店があったり、
中国の湖北省武漢市に「藤原豆腐店」そっくりなファーストフード店が出来たり、
http://j.people.com.cn/n3/2020/0521/c94638-9692664.html
中国の重慶市南岸区には、「藤原豆腐店」の看板を掲げたテイクアウトの飲食店が数件あり、在重慶日本国総領事館の公式サイトでも取り上げられています。
https://www.chongqing.cn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00167.html
香港の新天にも「藤原豆腐店」という『頭文字D』関連のグッズを扱う店があって、車好きが集っていたそうですが、こちらは地域の開発のため、近隣の店舗共々2021年8月に閉店してしまったとのことです。
カナダのリッチモンドにも「藤原豆腐店 Fujiwara Tofu Shop」という作中の店を模した外観のデザートのお店があります。壁一面にマンガの名場面が貼られたり、カウンターやメニュー表など、店内のあちこちに作品の画像が貼られています。
マレーシアにも、「藤原豆腐店」の店舗外観を再現して、店内にハチロクのレプリカや模型が飾られ、壁一面にマンガの名場面が貼られた「FUJIWARA TOFU SHOP MALAYSIA」という料理屋が3店舗もあります。店の内装や店名の共通点から、カナダの店の支店なのかもしれません。
アメリカにおいても『頭文字D』は人気があり、ロサンゼルスに「藤原とうふ茶屋(Fujiwara Tofu Cafe)」という『頭文字D』のコンセプトカフェが2022年1月にオープンして、店内に「藤原豆腐店」の看板が再現されています。
https://www.fujiwaratofucafe.com/
日本ではあまり知られていませんが、海外ではいろんな国に「藤原豆腐店」が存在し、それも過去の一時的なブームといったものだけではなく、近年も新たな店がオープンするなど、現在も継続して支持され、集客効果を発揮できるテーマショップとなっています。
今回ご紹介した店以外にも、まだまだ知られていない「藤原豆腐店」が存在する可能性すらあります。
ところが地元であるはずの日本では、クールジャパンやインバウンド政策などを謳いながら、こうした事情に疎く、チャンスを見逃し続けているのは、何とも残念な限りです。
群馬県渋川市※は、藤野屋豆腐店を取り壊して住宅などにせず、ミュージアムなどに改装していたら、何十倍もの経済効果を生んだかもしれませんし、原作の「藤原豆腐店」のモデルが現存する練馬区も、『頭文字D』や区民であるしげの秀一を活用することで、区のPRや経済効果を上げることができそうなものですが、何とももったいない話です。
※群馬県渋川市は『頭文字D』に関して何もしていないということはなく、その作品人気を狙って、2020年7月に『頭文字D』のデザインマンホール7種を市内各所へと設置しています。