声優のドラマ出演が増えている件
昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では声優のゲスト出演が多く見られ、神籬でもそのことをコラムで取り上げました。
今年の大河ドラマ『どうする家康』では、現時点ではまだ登場していないものの、『ドラえもん』のジャイアン役で知られる木村昴が渡辺守綱役でレギュラー出演することが発表されており、その他の役でも声優がゲスト出演する可能性もありそうです。
さらに1月から放送開始の民放のドラマでも、声優が出演する作品が多く話題になっています。
TBS日曜劇場『Get Ready!』第1話ゲスト出演:梶裕貴
TBS日曜劇場『Get Ready!』レギュラー出演:三石琴乃
フジテレビ月9ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』レギュラー出演:宮野真守
日本テレビ『リバーサルオーケストラ』レギュラー出演:津田健次郎
フジテレビ水10ドラマ『スタンドUPスタート』レギュラー出演:雨宮天
その多くがゲスト出演ではなくレギュラー出演とあって、いよいよ本格的なドラマ進出と言えそうです。
津田健次郎※は、2021年に『最愛』(TBS)で、2022年も『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日)、『あなたのブツが、ここに』(NHK)でレギュラー出演しており、もはやドラマの常連といった印象です。2023年1月13日公開の『映画 イチケイのカラス』にも出演しています。
かつては、声優として知られていた戸田恵子(元アイドル演歌歌手で舞台女優となり声優としても活躍)が、フジテレビのテレビドラマ『ショムニ』やNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』などの出演をきっかけに人気女優となり、現在では女優でありながら声優もしているというのが一般認識になっています。
当時は声優が顔出しでドラマに出るケースは極めて珍しく、アニメファンの間でも話題となりました。
昭和の時代では、元々売れない俳優や舞台俳優のアルバイト感覚で声優業をする方々も多かった状況もありましたが、現在では声優は人気の職業で、声優を目指して声優になるのが当たり前の時代です。
『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』のブームもあって、声優の認知度が各段に上がり、最近では声優が顔出しでテレビ出演するのも良く見られるようになりました。
テレビドラマの制作側も、これまではお笑い芸人や歌手などをテレビドラマに出演させることで、視聴者層を広げようとしてきましたが、その選択肢に声優というものが加わったということなのでしょう。
コントなどで高い演技力を持つ芸人や表現力のある歌手などが、ドラマでもその才能を発揮できると見込まれて出演をオファーされるケースは過去に多くあり、声優は元々演技をするのが商売なので、一般認知度や人気が高まって来た時点で、出演を期待されるのは当然の成り行きだったとも言えます。
現在の声優は、その仕事の幅も広がって、ラジオや顔出しのバラエティー番組、舞台俳優や歌手としてステージに立つことも珍しくなく、演技力だけではない多彩な才能や対応力を持つ声優も多くいますから、今後はドラマだけではなく、バラエティー番組やお笑い番組、クイズ番組など、いろんなジャンルの有名番組にレギュラー出演する声優も出てくるかもしれません(一般認知度がそれほど高くはない番組では、すでに多くの声優がいろんなジャンルの番組に出演しています)。
すでに、タレントとして数々のバラエティー番組に出演経験を持つ金田朋子のような例もあり、声優という肩書きを持ったマルチタレントとして、誰もが知るような有名芸能人となる逸材が出てくるのではないでしょうか。