1月13日は工藤新一の体が幼児化された日

『名探偵コナン』の作中では、高校生探偵の工藤新一が、毛利蘭とトロピカルランドでデートした帰りに、黒の組織の取引現場を目撃してしまい、口封じのために試作毒「APTX(アポトキシン)4869」を飲まされてしまいます。
この毒薬の副作用で身体が縮んで小学生の姿となってしまった新一が、江戸川コナンを名乗って毛利家に居候することになるというのが作品の序盤のストーリーとなっています。

マンガの第1話に描かれている新聞の日付が「平成六年一月十二日」もしくは「平成六年一月十三日」となっており(日にちの十のあとが半分見切れているため)、その後の事件での日付と合わせて1月13日という日付が特定できるというわけです。
平成6年(1994年)は、『名探偵コナン』の連載が「週刊少年サンデー」(1月19日号)で開始された年ですね。

現在は2023年なので29年前の出来事であり、来年は連載開始30周年を迎えるわけです。
ここまで長い連載になることを想定していなかったのか、日付がちゃんと出てくるわりに作中では時間経過がかなり遅く、何年経ってもコナンは小学1年生のままです。
現実には30年近く経っていますが、作中ではまだ半年程しか経過しておらず、現時点で単行本は第102巻、話数は1000話を超え、事件数も300件を超えているため、厳密に言えば、1日に複数件の事件が発生していることになってしまいます。
経過日数からコナンが1日に何件の事件に携わっているのかを検証したり、毛利小五郎が何本の麻酔針を打たれたかを数えたりといったことが話のネタになっていて、そうしたツッコミどころも『名探偵コナン』の面白さに繋がっていたりします。

現在では誰もが知る長寿作品である『名探偵コナン』ですが、アニメ放送が開始したのが1996年1月ですから、連載開始からわずか2年、放送開始時点では単行本はまだ8巻までしか発売されていないので、当時としてはかなり早いアニメ化です。
しかし、読売テレビのプロデューサーである諏訪道彦氏によると、これでも遅いくらいだったそうで、実はもっと早い段階からアニメ化の話があったそうです。

諏訪氏は、当時、読売テレビ東京支社編成部で、『YAWARA!』、『コボちゃん』、『魔法騎士レイアース』などの月曜7時枠のアニメを担当しており、『名探偵コナン』が連載開始した1994年1月当時は『YAWARA!』を担当していたために週1回ペースで雑誌校了日に小学館の編集部へと出入りしていたため、『名探偵コナン』の第1話もそこで読んだとのことです。
その時点で作品がアニメ化に向いていると感じ、第5~6話程のタイミングで早くも編集部にアニメ化の打診をしていたというのですから、その先見の明には脱帽してしまいます。

海外では『超電磁マシーン ボルテスV』などのロボットアニメが放送された際に、大人たちが作品の内容が暴力的であるとして反対運動が起きたケースがあるそうですが、日本では、毎回殺人事件が起きるようなアニメ作品が国民的アニメになってしまうのですから、海外に人にとってはさぞかしクレイジーに映るかもしれません。

『名探偵コナン』は、『サザエさん』や『クレヨンしんちゃん』のような日常系とは違い、多少ながらも大枠の達成目的(黒の組織との対決)があるストーリーものなので、物語の結末はあるはずですが、その歩みは緩やかで、今後も5年、10年と継続されるものと思われます。
当初は子供がターゲットだった『名探偵コナン』が、安室透や赤井秀一などのキャラクターの登場以降、女性ファンも獲得するようになるなど、作品自体も進化しており、今後もますます発展しそうな勢いです。
果たして物語は結末まで描かれるのか、それを目にする日はいつ来るのか、楽しみなところです。


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