マクロスの実物大バルキリーと東京ソラマチを見て来た件 ①

『超時空要塞マクロス』に出てくる可変型ロボットであるバルキリーの実物大モデル「VF-25Fガウォーク形態」を見て来ましたので、今回はレポート形式でご紹介したいと思います。

場所は東京スカイツリータウンソラマチ8階の千葉工業大学スカイツリータウンキャンパス AreaII(惑星探査ゾーン)で、年末年始などを除けば年中開館している入場無料の施設です。

この機体は元々、『超時空要塞マクロス』放送30周年記念であり、作中で第一次長距離移民船団「メガロード01」が進宙した年でもある2012年に開催された「30th ANNIVERSARY マクロス超時空展覧会 ~バルキリーで誘って!~」(東京、名古屋、大阪の3会場)の展示用に製作されたものです。

翌2013年8月には、初代マクロスのテレビ版および劇場版のハイビジョン初放送を記念した「WOWOW『超時空要塞マクロス』放送キャンペーン」で、歌姫リン・ミンメイが横浜中華街出身という設定になっている縁から、横浜のみらいチューブ(みなとみらい駅改札外コンコース)に期間限定で展示されました。

その後は、2014年2月に東京スカイツリータウンソラマチ8階の千葉工業大学スカイツリータウンキャンパス内に AreaII(惑星探査ゾーン)が新設される時に合わせて会場内に設置され、現在も常設展示されているというわけです。

展示されているのは、シリーズ中で最も人気のある『マクロスF』での主役メカで、主人公・早乙女アルトが登場する機体です。
バルキリーは、戦闘機型のファイター形態と、ロボット型のバトロイド形態、その中間で戦闘機に手足が付いた状態のガウォーク形態の3形態があるのですが、その内のガウォーク形態の上半身部分(機首・胴体前部・両腕部)のみが再現されたものとなっています。
実は、「マクロス超時空展覧会」の大阪会場にて下半身が追加される計画があったのですが、技術的な問題や施設の都合などで断念された経緯があるそうです。
是非とも全身像が見たかったところですが、何とも残念なお話です。

ところで、なぜ千葉工業大学の施設内にバルキリーが展示されているのでしょう?
常駐の案内係の方の説明によると、学長が作品のファンであることや、世界トップクラスのロボット技術の成果を誇る大学の特性からとのことでしたが、単純に大学が擁する未来ロボット技術研究センターのPRのシンボルとしたかったのではとも思われます。

しかし、それにしてはこの実物大マクロス、認知度が低いのが気になります。
入場無料の施設とあって集客のための宣伝活動は積極的に行なうことはしていないようですし、私の友人・知人の一般的なマクロスファンに聞いてみたところ、ほとんどの人がその存在すら知らない有様でした。
横浜の「動くガンダム」とは、あまりにもその認知度に差があり過ぎて不思議な思いに駆られます。

マクロスのポータルサイト「MACROSS PORTAL」でも一切案内されていませんし、検索サイトで「実物大マクロス」「実物大バルキリー」などのド直球なキーワードで検索しないとなかなか出て来ないとあって、情報にたどり着けないのかもしれません。
何とももったいない話です。

訪れたのは平日の午後でしたが、来客は私一人きりで貸切り状態。
フロアを回ってみましたが、そもそもこの8階にいた客が私を含めてわずかに3人程という少なさです。
下の階のソラマチでは、コロナ渦とは思われない程にたくさんの人たちが行き交い、その中には、修学旅行で訪れた学生たちがそこかしこに見られるというのに、このフロアにはあまりに人気が無さ過ぎます。
中高生であれば、千葉工業大学に興味のある学生もいるかもしれず、当然アニメファンだっているでしょう。『マクロス』シリーズは中年男子だけに人気があるわけではなく、男女問わず若者層にも人気の作品のはずです。
であるにもかかわらず、見に来ないのは、単純に知らないからに他ならず、せっかくのVF-25Fが哀れに思えてきます。

次回に続く。