アニメ制作会社の生存戦略 番外編 IGポートとUSPその②

連載コラム「アニメの未来を考える」

前回、プロダクションIG.が、許諾を受けてアニメを制作するだけの下請けの制作会社から、許諾を出す側に回ることに成功したことを語りましたが、今回は、その後のプロダクションIG.の歩んだ道を追ってみます。

下請け体制からの脱却を目指し、作品出資や版権事業に乗り出したプロダクションIG.の経営判断は、制作の主導権のみならず、会社に版権収益という大きな利益ももたらしました。
莫大な利益を上げたことで、制作主体であった映画のみならず、テレビシリーズやゲーム制作まで幅広く手掛けるようになり、会社はますます拡大。常に新しい仕組みを模索して会社の在り方を変化させてきたプロダクションIG.は、2007年にIGポートと名を改め、持株会社制を開始します。

IGポートという頭脳を頂くグループ会社となり、アニメ制作事業は新設したプロダクションIG.(二代目)に引き継ぎ、出版事業を担う会社を取り込んで子会社化、制作チームを独立させる形で制作スタジオを新設。
アニメ制作を事業主体としながらも、主要収益を版権事業に置く、グループシナジーによる収益構造を持つ企業グループを形成しています。

<IGポートのグループ企業>

・プロダクションIG.(2007年設立・アニメ制作会社)
・マックガーデン(2007年子会社化・ノベルス・コミックス出版事業・キャラクターライセンス事業)
・WIT STUDIO(2012年設立・アニメ制作会社)
・SIGNAL.MD(2014年設立・デジタル制作中心のアニメ制作会社)
リンガ・フランカ(2017年設立・マンガ配信Webサービス『マンガドア』の運営)

IGポートでは、過去に自社が手掛けるアニメ作品『009 RECYBORG』(2012年劇場公開)、『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』(2017年WEB配信)、『魔法使いの嫁』(2017年テレビ放送)、『GREAT PRETENDER』(2020年テレビ放送)において、任意組合(投資事業組合)である製作委員会を連結子会社化し、幹事会社として版権利用事業の収益管理を行うことの発表を行っています。
幹事会社となることで製作の主導権を持ち、且つ作品の収益を最も享受できる立場を有することにも成功しているわけです。
『魔法使いの嫁』などは、グループ会社のマックガーデンが刊行するマンガが原作を、同じくグループ会社のWIT STUDIOがアニメ制作を行っており、グループの利益を最大にする最も理想的な形となっています。


アニメ制作会社の生存戦略
番外編 IGポートとUSPその①
番外編 IGポートとUSPその②
番外編 IGポートとUSPその③

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